「勝っても負けても、感情が動く経験は財産」 咲乃もこさんが5年間見つめ続けた、学生麻雀選手権「雀魂杯」の魅力

学生麻雀連盟が主催し、オンライン麻雀アプリ『雀魂』が協力する学生雀士たちの戦い「雀魂杯」。その誕生から5年間、アンバサダー・MCとして大会の顔を務めてきた一人が、VTuberであり、『雀魂』のランクで最高位に位置する「魂天」の称号を持つ咲乃もこさんです。
学生たちの真剣な眼差しと、対局に懸ける学生さんたちの想いを誰よりも長く見てきた咲乃もこさん。時には大会で、もらい泣きすることもあったそうです。
そんな咲乃さんも、大会開始当初は、大人の男性が嗜むイメージがまだ強かった麻雀という競技で、「大会として成り立つのか」という不安もあったと言います。それが今や大会出場者の中に、何人ものプロ雀士が生まれ、有名選手が多数出場する大会で優勝するなど、未来を担う才能が生まれる場所へと成長しました。
今回のYostar Plusでは、咲乃もこさんにインタビュー。学生雀士たちや、思わずもらい泣きしたという大会史に残る名場面などなど、「雀魂杯」を通して学生麻雀の魅力をお聞きしました。
ぜひご覧ください!
「未来のスターが生まれるかも」- 不安から期待へと変わった5年間

――「雀魂杯」は学生限定の麻雀大会です。そのアンバサダーやMCというお話が来た時、どのような印象でしたか?
咲乃もこさん(以下、咲乃): 正直、最初は「大会として成り立つかな?」という不安が一番でした。麻雀というと、どうしても大人の男性が多いイメージがありましたから、学生さんだけでどれくらいの応募があるのか分からなくて。
でも、オンライン麻雀が普及してプレイヤーが増えている実感はあったので、これが実現すれば、麻雀がもっと幅広い世代に楽しまれるゲームになるかもしれない、という期待も同時にありました。しかもいざ蓋を開けてみたら、こんなにたくさん応募があるんだと、かなり驚きました。
――その大会も今は5年目を迎えました。当初の見立てと比べて、変化はありましたか?
咲乃: まず、年々参加してくれる方が増えているのが本当に嬉しいです。2020年の第1回は麻雀サークルの大学生が主でしたが、今ではU-18部門や別の『雀魂』の学生大会ではレディース予選もできました。さらに中学生や小学生の雀士の方まで参加してくれています。
それに、昔よりも書籍や動画配信などが充実して戦術が広まっていたり、学生麻雀大会の中でも、Mリーガーの方から直接指導を受けられたりするようになったことで、学生さんたちの麻雀のレベルが年々上がっているのを感じます。解説の麻雀プロの方々も「本当に見ごたえがある」とよくおっしゃっていますね。
始まった当初は「たくさんの学生さんが参加して、楽しい思い出になればいいな」という気持ちだったのが、だんだん「この中から、有名な麻雀プロが生まれるかもしれない」という期待に変わってきました。

――:実際に明科瑞希プロは、学生時代に参加した『雀魂杯』での敗戦が、自身を強くしたと話していました。その後プロテストに合格し、2023年の「雀魂インビテーショナル2023冬」(※)では、複数の現役Mリーガーを含めた強豪に競り勝ち、優勝するという結果を残しました。
そうなんですよ。もう学生麻雀からプロになった方とか、プロになって大会で結果を残してる方とか出てくるようになりました。『雀魂杯』の出場者が、プロになって有名な大会に出てきたら古参顔をしようと思っています(笑)。
――:(笑)。
(※)実績や段位をもとに、『雀魂』が招待した16人の麻雀プロによる大会
プロ顔負けの打牌と、インタビューで見せる素顔のギャップ

――多くの学生雀士と接してきて、彼らに共通する特徴はありますか?
咲乃: 高校生や大学生の方は、想像していたよりもずっとしっかりしているな、という印象です。そして皆さん、すごく真面目ですね。解説に来てくださったプロ雀士の方に「あの場面、何を切るべきでしたか?」と積極的に質問する姿をよく見かけますし、向上心が高い方が本当に多いです。
――:それはすごく感じます。大会終了後も控え室でずっと振り返りをしていたりと、驚かされることが多いです。2024-2025シーズンにU-18が設立されて以来、決勝進出者の中には中学生の姿も目立つようになってきましたが、同じ印象ですか?
中学生でも、打牌は大人顔負けでしっかりしています。ただインタビューではちゃんとあどけなさも感じられるんです。話してみて初めて「あ、ちゃんと中学生だったんだ」と安心したりもします(笑)。あと共通しているのは、牌を切る速度が皆さんとても速い。ネット麻雀に慣れているんだな、といつも感心します。
――そんな大人顔負けの学生さんたちですが、プロの対局とは違う、学生麻雀ならではの面白さはどんなところでしょうか。
咲乃: 学生麻雀は、本当にいろいろなスタイルの麻雀が見られるのが魅力ですね。「もうプロじゃん!」と解説の方を唸らせるような方もいれば、私たちも「その選択は面白いな」とハッとさせられるような、独自のスタイルで勝ち上がってくる方もいます。その幅広さが、予測できないドラマを生むんだと思います。
それに、一度負けた方がリベンジで決勝に戻ってきたり、先輩の麻雀を受け継いで対局に臨む後輩がいたり…。大会を通して生まれた絆で、今度はチーム戦に参加する方々もいます。対局の外にもドラマが生まれるのが、学生大会ならではの魅力ですね。
思わずもらい泣きした、忘れられない一局
――様々なドラマが生まれている「雀魂杯」ですが、この5年間で最も記憶に残っている名場面を教えてください。
咲乃: 名場面だらけで一つに絞るのは難しいのですが…。私が思わずもらい泣きしてしまったのは、「雀魂杯 学生麻雀選手権 2024-2025 U-18西場 決勝」です。とある学生さんがオーラスで12000点という高い手をアガったのに、悔しそうにしていた場面です。
その対局は優勝条件が非常に厳しく、その12000点をあがってもトップには届かなかった。優勝はほぼ不可能という状況で、より上位を確保するために選んだ、苦渋の選択だったんです。
「こんなに苦しい表情をしてあがる跳満があるのか」と、深く胸に刻まれました。でも、それだけ学生さんが一生懸命に取り組んでいる証拠なんですよね。だからこそ、ドラマが起きなかった年はないくらい、毎年熱くて面白いんです。
――最後に、これから大会への参加を考えている学生さんたちへメッセージをお願いします。
咲乃: この大会は、嬉しいとか、悔しいとか、そういった感情が大きく動く場所です。それは、出場選手の皆さんの表情やインタビューを見てもらえれば、きっと伝わると思います。
以前、解説の綱川隆晃プロが「勝っても負けても、そういった感情が動く経験ができること自体が財産だ」とおっしゃっていました。私も全く同じ気持ちです。
そうして一生懸命参加してくださる学生さんがいるからこそ、見ている視聴者の心が動き、感動を与えてくれる大会になっているのだと思います。
興味がある方は、ぜひ一歩踏み出して参加してみてください!
――:本日はありがとうございました!
そんな「雀魂杯 学生麻雀選手権2025-2026 U-18 西場」と「雀魂杯 学生麻雀選手権2025-2026 西場」の決勝戦が、11月1日(土)と2日(日)にそれぞれ開催されます。果たして今回はどのようなドラマが生まれるのか、楽しみにしてお待ちください!
なお「雀魂杯 学生麻雀選手権2025-2026シーズン」では、年度末に各大会の優勝者がチームとなって戦う「ALL LAST」を実施します。「ALL LAST」は「雀魂杯優勝者チーム」「雀魂杯U-18優勝者チーム」「ゲストVTuberチーム」「ゲストプロチーム」が出場するチーム戦です。
「雀魂杯 学生麻雀選手権2025-2026シーズン」で参加可能な大会は、残すところ2026年2月開催予定の「北場」のみとなりました。「ALL LAST」への最後の切符をかけたこの戦いに、ぜひご参加ください!
申込みは2026年を1月を予定しています。

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