夏の激闘!中高生&大学生の麻雀大会「雀魂杯」南場をレポート!

2025年8月2日(土)・3日(日)、学生麻雀連盟が主催する『雀魂』を用いた学生向け大会「雀魂杯 学生麻雀選手権」2025-2026シーズンの南場が開催されました。
本大会は大学生・大学院生・高専4年生以上かつ満25歳以下を対象とする「雀魂杯」と、中学生・高校生・高専1~3年生までを対象とする「雀魂杯U-18」の2つのカテゴリーにて実施。約1年をかけ「東場」から「北場」までの全4回を毎回異なるルールで開催し、それぞれの王者を決めます。
さらに各回の王者がチームとなって戦う「ALL LAST」も年度末に実施。「雀魂杯優勝者チーム」「雀魂杯U-18優勝者チーム」「ゲストVtuberチーム」「ゲストプロチーム」が出場するチーム戦を行います。
今回のYostar Plusでは、学生向け大会「雀魂杯 学生麻雀選手権」2025-2026シーズンの南場レポートをお届けします!
【「雀魂杯 学生麻雀選手権」2025-2026 南場 出演者(敬称略)】
MC:咲乃もこ(VTuber)
解説:綱川隆晃(日本プロ麻雀協会)
ゲスト:千羽黒乃(Vtuber)
【「雀魂杯 学生麻雀選手権」2025-2026 U-18南場 出演者(敬称略)】
MC:咲乃もこ(VTuber)
解説:綱川隆晃(日本プロ麻雀協会)
ゲスト:渡辺太(最高位戦日本プロ麻雀協会/赤坂ドリブンズ)
U-18は東場優勝者、れいんえふ選手が南場決勝にも進出。史上初の連覇なるか!?
「雀魂杯 学生麻雀選手権」2025-2026シーズンのU-18南場は、前大会U-18東場の優勝者のれいんえふ選手が前人未到の大会連覇を成し遂げるかに注目が集まりました。

今大会の予選でもれいんえふ選手は、過去最多の参加者となる予選を見事勝ち決勝の舞台へ。決勝でもその打ち筋やダマテン判断、後手に回った際の放銃回避など見事な対応を見せ、解説やゲストのプロ雀士を唸らせる局面が多々ありました。
しかし、いかんせんU-18南場決勝では、アガリ直前のめくり合いで競り負けてしまうことが多々あり、ツキに見放されていたと言ってもいい状況。FIRST STAGEからFINAL STAGEを通して一度もトップを取れず、結果3位でフィニッシュ。
れいんえふ選手は途中のインタビューで開口一番「ハードモード過ぎないですか」と心境を吐露しつつも、直前の対局での問題点を振り返り、すぐさまその局面での判断を解説やゲストのプロ雀士に問いかけている姿がとても印象的でした。

FINAL STAGEの南1局まで、優勝しそうな勢いを見せていたのが、すやきくん選手です。同選手が波にのったときはまさに嵐。現場で見ていた番組担当者から「これは止められないだろ」と声が漏れていたほどの怒涛のアガリを見せていました。

特にその南1局では周囲を静まり返らせる、定石を覆すかのような選択をした際には、一同が大きくどよめき、これから来る未来が見えていたようなアガリが出ました。これには百戦錬磨のプロ雀士たちが頭を抱えて「今のはなんだ・・・」と絶句させるなど、大いに大会を沸かせた雀士ではないでしょうか。

そんな連覇を狙う実力者れいんえふ選手と、波に乗るすやきくん選手に立ちはだかったのが、黒石かなで選手です。FIRST STAGEでは、1回戦から4回戦までトップと3着を繰り返し、浮き沈みの激しいスコア状況でした。
黒石かなで選手のFIRST STAGE1回戦は、6万点近くを稼ぎ、トップを獲得。「自身の麻雀ができた」と笑顔を見せていたものの、続くFIRST STAGE2回戦では3着に沈みます。
特に2回戦は、一時マイナス28000点まで点数を減らすなど、窮地に陥ります。これは、すやきくん選手の怒涛のアガリで、その点数が10万点超えを記録した反動によるもので、中には複数回の直撃も含まれていました。ただこの厳しい局面からも、2回戦の結果はプラス2100点まで戻すなど、優勝への布石が散りばめられていました。
FIRST STAGE3回戦では、一転トップに。3回戦の開始前は手堅く麻雀を打っていきたいと語っていたものの、2回の放銃があったことはご愛嬌でしょう。このまま波に乗るかと思われたFIRST STAGE4回戦では再び3着に沈みます。




スコアの差は激しいものの、3者が優勝の可能性を残すFINAL STAGEで、黒石かなで選手は引き続き苦戦を強いられ、南1局には3着に。
そんな逆境の中で試合が大きく動いたのは南2局でした。チンイツの倍満テンパイを入れると、れいんえふ選手から当たり牌の七索(チャーソウ)を見逃し、数巡後すやきくん選手からの直撃に成功。この戦略にはゲストの渡辺太プロが満面の笑みで拍手、MCの咲乃もこさんも「これができるんだもん!凄いよ!」と興奮気味に語ると、解説の綱川隆晃プロは立ち上がって拍手し「偉いよ!すげーよ!なんで、それが見逃せるんだ!」と絶賛。

優勝者にふさわしい賛辞を受けていました。

倍満の直撃により、オーラスの優勝条件は満貫ツモと現実的な条件に。そんなオーラスで見事ドラ暗刻の手を作り上げて条件を達成し、満面の笑顔と両手のガッツポーズで逆転優勝を決めました。
今回の優勝者である黒石かなで選手は、別の麻雀大会でも1000点差で負けるという非常に悔しい思いをしたばかり。試合前のインタビューにおいては、不屈の精神で勝ちたいと宣言していました。決勝大会では、並み居る強豪の中、劣勢に追い込まれても必ず巻き返していたその姿はまさに不屈。優勝に値する内容だったと言えるでしょう。各大会の優勝者が集うALL LASTでどのような活躍を見せるのか期待が高まります。
千羽黒乃さんの配信見て育ったカフ選手が、本人を背にして優勝!

「雀魂杯 学生麻雀選手権」2025-2026シーズンの南場決勝は、静岡大学のカフ選手が圧巻の強さを見せ、幕を閉じました。
同選手に関しては攻守ともに光るものを見せ、MCの咲乃もこさんが「攻守共にしっかりしていた」と評すると、綱川プロからも「守りの面ではリスクの負い方が綺麗で、上手く逃げ切った。また様々な局面への対応力の高さがあった」とその実力に太鼓判。
さらに「麻雀を本格的に始めたきっかけ」と語るなど、カフ選手にとって事実上の師匠だといってもよい存在である千羽黒乃さんからも「ワシだったらこう打つといった部分がよく重なっていて嬉しかった」と、感心の声が上がりました。





今大会でのカフ選手は、5戦中4トップと安定した強さを見せていました。トップを逃したのはFIRST STAGEの1回戦のみ。1回戦では、約15分で局が終了するほどスピーディーな展開。そんな局面でカフ選手は牌にも恵まれず「きつかった」と振り返っていた通り、初戦は最下位に沈みました。
ただしその後は一転し安定した強さを見せ、4回のトップを獲得。結果、他を寄せ付けずに圧倒的な強さで優勝。勝利者インタビューでは「本当に優勝したんだ、自分でもびっくりしています」と実感の無さを語っていたものの、予選本線を含めた状況においても、ほぼトップとまさに圧倒的な強さで走り抜けました。

『雀魂』の大会ではおなじみとなりつつある強豪校・名古屋工業大学大学院からの出場者であるAliceQ選手は、FIRST STAGE1回戦ではトップを取ったものの、波に乗り切ることができませんでした。2回戦では「東1局が難しく、ミスも多くて悔しい」、3回戦では「放銃もあって、微妙だった」、4回戦ではMCや実況解説が口を揃えて不運だったと分析するも「回避できた部分もあるのでは」と各試合でのコメントは反省しきりでした。
全対局の終了後には、「ミスがあったものの、楽しく麻雀を打てたのは良かった」と振り返ったAliceQ選手。まさに“楽しかった”という点においては、誰もが認める内容だったのではないでしょうか。なおAliceQ選手の『雀魂』のランクは雀聖3と、最上位の魂天まであと一歩のところの実力者。魂点入りに加えて、残る2大会での活躍にも期待したいところです。

一方で南場を通して大きく崩れなかったものの、大きく勝ちきれなかった紅白丸選手。自身の雀風を副露攻撃型と語っており、MCの咲乃もこさんからは「随所でその良い麻雀が見れた」とお墨付きがありました。
そんな紅白丸選手は、FIRST STAGE1回戦では2位。「すごく緊張した」と語るも「副露に、紅白丸選手らしさを感じた」と咲乃もこさんが語っていました。FIRST STAGE2回戦でも2位と推移していました。続くFIRST STAGE3回戦で3位と順位を落とすも、4回戦では2位でフィニッシュ。FINAL STAGEでは惜しくも3位となり、大会総合でも3位と後塵を拝する結果になりました。
綱川プロから「自分の好きな麻雀で対局しているのが見れて楽しかった」と、その雀風に好意的なコメントが寄せられた紅白丸選手。今後も様々な大会に出場する計画があるようで、より成長して雀魂杯に戻ってくることを期待したい選手です。
なお次回の「雀魂杯 学生麻雀選手権」2025-2026 は西場です。2025年10月に開催を予定しています。続報まで今しばらくお待ち下さい!