「2年越しのリベンジ」瞑茶選手が優勝!「U-18」は圧勝から一転、逆境を乗り越えたセレンガ選手がV 【雀魂杯西場レポート】

「2年前のリベンジ。ここで逃したもの(優勝)を取りに来ました」
決勝直前のインタビューでそう宣言した徳島大学の瞑茶選手。その言葉通り、FINAL STAGEでの「七筒(チーピン)待ちリーチ」からのツモで優勝を決め、見事2年前の雪辱を果たしました。
また「U-18西場」では、東京都立保谷高等学校のセレンガ選手が「1手1手、丁寧に打って優勝を目指します」という対局前の宣言を有言実行し、勝利を掴みました。
この熱戦が繰り広げられたのは、2025年11月1日(土)・2日(日)に開催された、学生麻雀連盟主催の「雀魂杯 学生麻雀選手権」2025-2026シーズン「西場」・「U-18西場」。
本大会は、『雀魂』を用いた学生向け麻雀大会として、2つのカテゴリーで実施されます。「雀魂杯」は大学生・大学院生・高専4年生以上(満25歳以下)、「雀魂杯U-18」は中学生・高校生・高専1~3年生が対象です。約1年をかけて「東場」から「北場」までの全4回が異なるルールで開催され、各回の王者を決定します。
さらに年度末には、各回の王者たちが「雀魂杯優勝者チーム」「雀魂杯U-18優勝者チーム」として集結。ゲストのVtuberチーム、プロ雀士チームを交えたチーム戦「ALL LAST」も実施予定です。
今回のYostar Plusでは、様々な想いを胸に決勝へ勝ち上がった選手たちの軌跡を中心に、「雀魂杯 学生麻雀選手権」2025-2026シーズン「西場」の模様をレポートします!
【「雀魂杯 学生麻雀選手権」2025-2026 西場 出演者(敬称略・順不同)】
MC:咲乃もこ
解説:朝倉康心
解説:林輝幸
【「雀魂杯 学生麻雀選手権」2025-2026 U-18西場 出演者(敬称略・順不同)】
MC:咲乃もこ
解説:綱川隆晃
解説:渋川難波
2年越しのリベンジ!徳島大学・瞑茶選手が「西場」優勝!

「今度は優勝できるように頑張りたい」
「雀魂杯」2023-2024西場の決勝で準優勝に終わった際、徳島大学の瞑茶選手はそう宣言しました。あれから2年。徳島大学麻雀サークルの部長を務めるなど、様々な経験を積み、瞑茶選手は再びこの決勝の舞台に戻ってきました。

その成長は、FIRST STAGE1回戦の東1局、早々のリーチツモアガりという幸先の良いスタートにも現れます。途中、聴牌(テンパイ)での競り負けや放銃に首をかしげるシーンもあり、3着まで後退する苦しい展開もありましたが、表情からはその気持は見えず。続く2回戦の南3局、大きな点差をつける跳満ツモアガり(12000点)を決め、終わってみれば僅差ながら堂々の首位でFIRST STAGEをフィニッシュします。

誰が勝ってもおかしくない混戦模様で迎えたFINAL STAGE。瞑茶選手は東2局で満貫をアガり、一気に首位へ躍り出ます。対するkinpaku選手からの猛追で順位が入れ替わる場面もありましたが、瞑茶選手は聴牌(テンパイ)などで細かく点数を稼ぎ、トップの座を守ります。そして迎えた最終局、自らのツモアガりで優勝を決め、ガッツポーズ。2年越しのリベンジを見事達成しました。

今大会、もう一人の決勝経験者である早稲田大学大学院のkinpaku選手。彼もまた、「雀魂杯」2023-2024東場において、優勝目前でまさかの逆転負けを喫した過去を持った選手です。

『雀魂』の段位で最高段位「魂天」の中でもLv11と、トップクラスの実績を誇る優勝候補の一角です。その実力はプロ雀士も「FIRST STAGE 2回戦から優勝の条件を逆算して対局しているのが伝わる」と評するほど、戦い慣れた立ち回りは折り紙付きでした。
しかし、今回もあと一歩及ばず、結果は2着。kinpaku選手は、優勝の可能性もあった最終戦を振り返り、「自身にとって有利な展開だったものの、あと一歩及ばない部分の積み重ねが、今回の結果につながった」と、冷静に敗因を分析していました。
「この貴重な経験を糧に、また成長し続けていければと思います」とのコメントからは、この悔しさをバネに、さらに強くなることを誓う意志が感じられました。

「瞑茶選手とkinpaku選手、トップ争いの二人が強かったです」と、悔しさをにじませたのは福島大学のめぐし選手です。
しかし、その苦しい展開から猛追は実況・解説のプロ雀士陣からも高く評価されました。MCの咲乃もこさんは「勢いがあり、めくりあいに勝てていれば優勝していたかもしれない」とコメント。朝倉プロも「FIRST STAGE1回戦は最下位という苦しい立ち上がりから、2回戦で見事に立て直した。最終戦に望みをつなぐゲーム展開は素晴らしかった」と太鼓判を押していました。

北海道大学大学院の小柊選手も、決勝の舞台で激闘を繰り広げました。FIRST STAGE1回戦を首位で通過し、続く2回戦で3位に後退したものの、FINAL STAGEへは2位で進出。優勝への期待も高まっていました。
しかしFINAL STAGEでは、チャンスを掴みきれない苦しい展開が続きました。インタビューでは「チャンスはあったが、それをものにできないのは実力不足」と、冷静に自身を分析。
小柊選手もまた、『雀魂』の最高段位「魂天」の実力者です。解説陣は、小柊選手のその対局中の選択はすべてが高い水準にあったと、今大会での健闘を讃えていました。
圧巻の2連勝から一転、苦戦を乗り越え頂点へ ―「西場 U-18」セレンガ選手優勝!

「雀魂杯 学生麻雀選手権2025-2026 西場 U-18」決勝は、守備型の選手3名に対し、攻撃型の選手が1名という興味深い構図でスタートしました。

セレンガ選手の強さは、FIRST STAGEから際立っていました。1回戦の東3局、早い仕掛けでアガりをものにすると、南3局では巧みなリーチから裏ドラを3枚乗せる高得点の満貫をアガり、1回戦を堂々の首位で終えます。
続くFIRST STAGE 2回戦でもその勢いは止まらず、南1局で先制リーチを満貫でアガり大きくリード。続く南2局でも跳満をアガるなど、他を寄せ付けない強さを見せつけました。
オーラスも危なげなく逃げ切り、FIRST STAGEを2連勝という圧倒的な成績で、FINAL STAGEへと駒を進めました。

しかし、FINAL STAGEでは一転、セレンガ選手は苦戦を強いられます。
FIRST STAGEの勢いは影を潜め、防戦一方の展開が続き、一時は最下位まで沈んでしまいます。
勝負が動いたのは南1局。防戦が続いていたセレンガ選手が、劇的な海底摸月(ハイテイ)でのロンアガりを決め、8000点を獲得。まさに息を吹き返す一打となりました。
だが、そう簡単には終わらないのが麻雀の怖さであり、「雀魂杯」のこれまでの歴史です。このまま波に乗るかと思われた南2局、今度はセレンガ選手のまさかの放銃。再び優勝に暗雲が立ち込めます。
そんな度重なる逆境を跳ね除けたのが、運命の南4局でした。セレンガ選手の巧みな鳴きがはまり、あっという間のツモアガり。11700点という高得点を獲得し、トップ戦線に浮上します。
しかし、この時点でもまだ決着はつかず、勝負は南4局二本場(にほんば)にもつれ込みます。最後はアガりきれず3着でフィニッシュしたものの、FIRST STAGEからの総得点差により、セレンガ選手が見事「西場 U-18」の頂点に立ちました。

優勝インタビューでセレンガ選手は、「2連勝していたのに、FINAL STAGEでは条件が急に厳しくなってしまった。それでもツキがまわって優勝できて嬉しい」と、激戦を振り返り喜びを語りました。
解説の渋川難波プロは、「2連勝のプレッシャーを跳ね返しての優勝は素晴らしい。特に鳴きの速さが良い方向に働いていた。あの海底摸月(ハイテイ)でのアガりが優勝の決め手でしたね」と、その勝負強さを讃えました。
一方でMCの咲乃もこさんは、「本人はツイてたと言っていましたが、これは実力。様々な仕掛けを駆使してきたからこそ、今回の結果につながった」と続け、セレンガ選手の実力を称えていました。

決勝で唯一の攻撃型と自負していた栄光学園高等学の鬼連チャン選手は2位に入賞しました。FIRST STAGEは1回戦最下位、2回戦2着と苦しんだものの、FINAL STAGEでは怒涛のアガりを見せ、優勝まであと一歩に迫りました。
「最後は運が足りなかった」と大会を振り返りましたが、渋川難波プロからは「むしろ攻撃だけでなく守備の堅さも光っていた」と、その総合力にお墨付きが与えられました。

3位に入賞したのは、立花高等学校のカニ選手。昨シーズンの「U-18北場」決勝で惜しくも2位となっており、リベンジを誓って臨んだ今大会でしたが、3位という結果に。
対局終了後、すぐに勝負の分かれ目を振り返る姿に、渋川難波プロは「僕がその年に気づいたのは30歳くらい。この歳で気づいている時点ですごい。守備力も高く、攻めも的確で優勝もあった」と絶賛しました。

惜しくも4位となった、東京学芸大学附属高等学校のうみゆきー選手。「全体的に力不足を感じました」と語るも、「(U-18に出られるチャンスは)まだ2年間あるので、戻ってこれるように頑張りたい」と、力強く今後の挑戦を誓いました。
解説陣からは、対局中のメンタンピンドラドラでのツモアガりが見事だったと評価される場面もあり、今後の活躍が期待される選手です。
なお次回の「雀魂杯 学生麻雀選手権」2025-2026 は北場です。2026年1月に参加者の募集を予定しています。続報まで今しばらくお待ち下さい!

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