MENU

北京より「清華大学」の学生さんが企業訪問 アニメ制作のデモンストレーション、スタジオ見学でおもてなし

「クリエイターさんは猫の顔をイメージしてキャラクターを描いていると聞きました。また漫画とアニメが好きな人は猫が好きという話もよく聞きます。そこに関係はあるのでしょうか?」と学生さんから飛んだ質問にドッと湧くYostarスタジオ内。笑顔で質問に答える登壇者。

この様子は企業訪問でYostarスタジオに訪れた学生さんからあった質疑応答の一幕。

7月某日、北京にある清華大学日本語学科の皆さんがYostarスタジオへ訪れました。来訪した引率の先生と生徒の皆さんは、今回の来日ではエンターテインメント企業、特にアニメーション制作現場の様子を知りたいとの希望があったそうで、コンテンツビジネス部H部長の紹介もあり、Yostarに白羽の矢が立ちました。

企業訪問では、Yostar及びYostar Pictures(YSP)の会社紹介、YSP所属アニメーターによるアニメ制作のデモンストレーション、質疑応答、Yostarスタジオの案内などを行っています。

会社紹介では、まずYostar社長室の三輪木室長が登壇し、自社の業務紹介、運営中のコンテンツのリリース時の様子やアプリの成長過程などをお話をしました。

日本のYostarは、パブリッシャー(配信・発売元)で、海外で開発したタイトルを日本国内向けに配信しています。そのためローカライズやマーケティングは、国内で運営を行うにあたって非常に重要なポイントとして捉えています。ローカライズでは、外国籍のスタッフが活躍していること、マーケティングでは、ソーシャルメディアでユーザー様とのコミュニケーションや、主要駅などにおいてオフライン広告の展開をしていることなどを語っています。

さらにYostarの強みとして、有名なイラストレーターさん達とのネットワークが強く、ハイクオリティなイラストを多く制作して展開できること、加えてゲームの運営と共に様々なオフラインイベントやメディアミックス、グッズ展開などをあわせて行っていくことで、ゲーム自体をさらに盛り上げていることなどを説明しました。

続いてはYSPの会社説明です。同社のTさんが登壇し説明を行いました。

ご存知の方も多いと思いますが、YSPはアニメーションの制作会社です。手掛けたアニメは、自社の運営タイトルのプロモーションアニメや、また「アズールレーン」「アークナイツ」「ブルーアーカイブ」のTVアニメシリーズの製作。その他、初のオリジナルアニメ「空色ユーティリティ」、最近では『週刊少年マガジン』で連載中の漫画「戦隊大失格」アニメ版の担当が決定するなど、自社の運営タイトルだけにとどまらず、多岐にわたり作品をお届けしています。

またアニメーションの制作以外では、学生に向けてワークショップを開催。ワークショップはアニメーションの制作会社で働きたい人を応援する企画で、東京、名古屋や京都など様々な場所で行ってきました。

続いて登壇したのは、Yostar Pictures制作部のアニメーターM・Iさん。M・Iさんは、今回の企業訪問で特に学生の皆さんが目を光らせていたアニメーション制作のデモンストレーションを披露しています。

デモンストレーションは、まずアニメーション制作における工程についての一通りの説明を行った後、「空色ユーティリティ」を例に清書作業を目の前で見せてくれました。

製作工程において清書作業は、作画監督が修正した絵を線でなぞって清書する作業です。

この作業に至るまでの工程として、

・キャラクターデザインの担当によるキャラ設定
・アニメ作りの仕様書とも言える絵コンテの制作
・アニメの動きを作るレイアウト作業
・レイアウト作業に対して作画監督が修正作業

を行い、

・作画監督が修正した絵を清書(今回デモンストレーションを行った内容です)

した後、

・色を塗る仕上げ作業

などを経て完成に近づけていきます。

(※)Yostar Picturesでは全てデジタル。iPadだけで作業をする人もいるとか。

アニメ制作の様子を間近で見られるだけあって、学生のみなさんも興味津々の様子。身を乗り出すようにその様子を見ていた学生さんは印象的でした。

さて冒頭の質疑応答「猫の顔をイメージしてキャラクターの顔を描いているか?猫好きとアニメ、漫画好きの人の関連性」についての答えです。

M・Iさんは「作品によっては絵柄が色々変わるので、一概に猫がモチーフとは言えるわけではありません」と回答、「ただ丸いほうがかわいい印象が出ます。Yostarは女の子のデザインが多いので、かわいいものになりやすくなるのではないでしょうか。猫好きは・・・どうでしょう?」と問いかけます。

これに三輪木室長が因果関係はわからないとしながらも「Yostarオフィスでも、猫が飼えるようにする案も出ていたのですが、ビルからNGが出たため却下になった」「実際にYostarでお付き合いしているゲーム会社で、猫を飼っているゲーム企業のオフィスをいくつか知っている」などの裏話が飛び出しました。

また「イラストレーターさんも猫を飼っている人が多いかもしれない」との話が出た際には、参加者一同で謎の共通認識があったのか、「確かに!」とでも言いたげにうなずいているのが興味深いところでした。

(※)余談ですが、編集部が確認する限りYostarの社内チャットツールにある趣味系チャンネルの最大派閥は「もふもふ写真交換部」です。ペットと一緒に暮らしている人、諸事情でペットが飼えないけれど動物が好きな人向け交流チャンネルで、飼っているペット写真が多く飛び交い、割合で言えば猫が多数を占めています。

その他「AIについてどう思っているか」「サーバーがダウンした際にはどんなことしているのか」などの質疑応答を終えたあとには、Yostarスタジオ内のモーションキャプチャースタジオなど、スタジオ設備のご紹介をいたしました。

参加した学生さんからは「アニメーションの製作工程まで見せてくれて、自分たちにとって貴重な体験でした。ありがとうございます」との嬉しいお言葉もいただきました。

アニメやゲームの世界に興味があり、その道を目指しているのであれば、将来どのような形かでお会いできるかもしれません。来訪した学生の皆さんにとって良い想い出になっていれば、私達も嬉しく思います。

この記事をシェアする