プロ雀士陣も思わず絶叫の劇的決着!「雀魂杯 学生麻雀選手権」初のU-18大会をレポート!

2024-25シーズンより新設された大会「雀魂杯 学生麻雀選手権 2024-2025 U-18」。本大会は学生麻雀連盟が主催する『雀魂』を用いた学生向け大会『雀魂杯』の中でも、小中高校生・高専3年生までが対象となるカテゴリーです。これまで約1年をかけ「東場」から「北場」まで毎回異なるルールで開催し王者を決定、その各大会の優勝者が一同に集い日本一の学生を決める「雀魂杯 学生麻雀選手権 2024-2025 U-18グランドファイナル」(雀魂杯 2024-2025 U-18 GF)が、3月2日に開催されました。
U-18と言えど、麻雀の打ち筋、またそのコメントを文字に起こしてみれば、大人顔負けの内容に舌を巻きます。さすが1000名を超える予選の中から勝ち上がってきた選手たちとも言えるでしょう。
そんなツワモノがひしめくなか、大会では誰よりも喋り、誰よりも場を盛り上げ、そして誰よりも勝ちたい気持ちを表に出していた神戸市立科学技術高校のparu22(ぱるとぅ)選手が初の大会王者として、その名を刻みました。
一方で敗れた3選手についても、Final STAGEでギリギリで大逆転を許したという事実から、非常に優れた雀士であることは間違いないでしょう。
今回のYostar Plusでは、ゲスト解説の渡辺太プロが「自分にとって本当に怖い人間は下の世代からくる。その言葉の意味がわかった」とまで言わしめた、若き雀士達の大会での様子をお届けます。
【出演者】
MC:咲乃もこさん(Vtuber)
解説:綱川隆晃プロ(日本プロ麻雀協会)
ゲスト:渡辺太プロ(最高位戦日本プロ麻雀協会)
まるで同じ部活の仲良し4人組?
今回の「雀魂杯 2024-2025 U-18 GF」まで勝ち進んだのは、以下の4選手です。

麻雀をはじめたきっかけは、好きな配信番組で麻雀を知ったこと。多井隆晴プロ、土田浩翔プロ、お笑い芸人の鈴木もぐらさんたちが、本当に楽しそうで、麻雀用語を知りたくなったから本格的に学び始めたと語っていました。学校の登下校中や、バイトのない時間に麻雀を打っているそう。

小6で家族が打っているのを見て参加したことが、麻雀を始めたきっかけ。今年は受験生だったのでそこまで麻雀は打てなかったと言いつつ、
夏前くらいまでは1日4半荘ほど打っていたようです。ちなみに、「U-18 GF」2日前に高校の卒業式を終えたばかりだったとのこと。

麻雀を始めたきっかけは、文化祭のときに触れたこと。その際に「雀魂杯」のグランドファイナル出場者に出会ったことも
大きく影響しているようです。毎日2時間〜2時間半ほど『雀魂』をプレイし、腕を磨いているとのこと。

母親と姉がMリーグを見ていたところ、一緒に興味を持つようになったことがきっかけで麻雀をスタート。
普段はストレスが溜まるまでやりこむと語っていました。ちなみに、ストレスが溜まる閾値は2連ラスとのこと。
特にparu22選手、taketo氏選手、アンツァン選手は元々『雀魂』などを介して日常でやり取りしていただけあって、まるで仲の良い部活動のような雰囲気。前日に都内に集合しており、カラオケへ行ったり、ホテルでお菓子パーティをしながら、北場U-18の様子を見ていたそう。
おしゅし818選手も、そんな3人にすぐに打ち解けたようで、楽屋やリハーサルなどで、常に4人でコミュニケーションを取っている姿が見られました。





そんな雰囲気は、決戦が始まったときも変わらずです。対局中は真剣ながらも、一局終了ごとに、お互いの状況を話したり、リーチ時の演出を行うなど、まだエンターテインメントとして魅せる余裕が見られました。






気持ちをむきだしにした勝負師としての顔
しかし大会も終盤へと進むに連れ、選手たちの様子や表情が徐々に変わっていきました。


3rd STAGEまでを終えた段階で、難易度の差はあれ誰もが優勝の可能性を残す接戦に。Final STAGEではメンバー間でのやりとりが明らかに減り、じょじょに険しくなっていく表情がその真剣さを物語っていました。
優勝争いが混迷を極めていたこともあり、これまでの和やかな空気から一転。選手たちも和了った際の演出は控えめで、うってかわってスタジオ内の空気がピンと張り詰めていたのを今も鮮明に思い出せます。




特に今大会のムードメイカーでもあり、優勝のためにはトップとの差を詰めていくことが必須であったparu22選手は、自身のツモの瞬間には大きく手を叩き、咆哮にも似た声がスタジオに響きわたるなど、勝利への執念を隠せないようになっていました。

が、ついにその時がやってきます。後塵を拝していたparu22選手が南3局で三倍満で首位をまくりました。これには実況席も絶叫。その声量は収録スタジオに隣接した、防音完備のオペレーションルームにまでうっすらと肉声が届くほどでした。
解説の綱川隆晃プロはひとしきり叫んだ後、渡辺太プロと顔を見合わせ、「三倍満だよ!」と声が上ずります。渡辺太プロも続けて「変な声が出ちゃった。まくったよ・・・」と満面の笑み。MCの咲乃もこさんは「うそ・・・」とその状況が信じられない様子。
この三倍満の結果、オーラスで和了れば優勝が決まるという緊張の場面で2翻役を見せ、paru22選手が見事U-18初代王者の栄冠を掴みました。

表彰式では「大逆転を見せられて、悔しいというよりは凄いと思ってしまった」と語るのは4位のアンツァン選手。咲乃もこさんはその実力に「本来切りそうな牌をビタ止めしたり、力を見せてくれた」と太鼓判を押します。
唯一の中学生、それも2年生で登場したおしゅし818選手。対局中に和了られた際に悔しさを隠さない表情に勝負師としての矜持を感じました。「あとちょっとでした。しょうがない。できることはやったので」と大会を振り返りました。
この言葉に渡辺太プロは「できることはやったって言ったのはまさにそう。テンパイしているのに伏せて2着を確定させるなど、この年齢では考えられないくらいほど打ち筋がしっかりしていて驚きの連続でした」と言葉をかけます。
終始安定した力を見せていたtaketo氏選手。「勝っていたので、最終戦は弱気でした。思っていたメダルの色とは違った」と反省を口にします。これに咲乃もこさんは「そんなことなかったけどなー。実力は遺憾なく発揮していたと思います。他との点数差を意識しながら打つなど、素晴らしい麻雀をしていました」と称えました。
そして優勝者のparu22選手です。綱川隆晃プロからは「一番自由に打っていました。独創性のある仕掛けを色々見せて、楽しく自分の麻雀を遂行した結果の優勝という、これ以上のない結果になったと思います」と王者を分析し、称賛しました。
大会では最後に、渡辺太プロが「自分がU-18のころは、ネット麻雀にも触っていない時期でした。その頃の自分とはくらべものにならないくらい強くて、嬉しかった。さらに期待しています。決勝メンバーは4人とも積極的にコミュニケーションを取っていて仲の良さも見えた。麻雀で横の繋がりができるのは素晴らしいことで、そんな輪が広がっていって欲しい。ゲストを引き受けて良かったです」と振り返りました。
また綱川隆晃プロは「本当に素晴らしい大会でした。4人の力が合わさってこれだけの対局を見ることができました。10年後には今の中高生が麻雀だけではなく、世の中の主役になる年代になります。そのときにこの経験を思い出して欲しい」と将来を見据えました。
最後に咲乃もこさんから「U-18部門ができると聞いたときには、中高生でそんなに人が集まるのかと思っていました。まさか参加者が1000人を超えるとは!熱いドラマがたくさんあったので、ぜひ広めてほしいです。また3月9日には、『雀魂杯 』のグランドファイナルもあるので、ぜひ盛り上げてほしい。U-18の参加者の学生のみなさんもありがとうございました。また来年度お会いしましょう」とコメントし大会を締めくくりました。
今シーズンから開催した18歳以下を対象にした「雀魂杯 学生麻雀選手権 2024-2025 U-18」は、paru22選手の大逆転勝利という形で幕を閉じました。今回出場した選手たちは「雀魂杯」のグランドファイナルに進出した選手たちとの交流もあるそうで、日夜麻雀のディスカッションを行っているのだとか。
主催者側ではなく、選手側で自発的に行われたコミュニティが広がり、経験が共有され、そして実際にその影響を受けたメンバーが大会で結果を残していく。そんな横の繋がりの強さを眼の前で体感した大会でした。
3月9日(日)開催の「雀魂杯 学生麻雀選手権 2024-2025」グランドファイナルでも、U-18世代の活躍に触発された選手たちが、負けず劣らずの熱戦を繰り広げてくれることでしょう。こちらも当日は生配信が実施されますので、ぜひリアルタイムでその勇姿をご覧ください!