MENU

「雀魂杯 学生麻雀選手権」2025-2026シーズン始動!綱川プロ、明科プロに聞く学生麻雀の魅力

6月7日・8日、学生麻雀連盟が主催する『雀魂』を用いた学生向け大会「雀魂杯 学生麻雀選手権」2025-2026シーズンが開幕。いきなり鮮烈かつ巧みな対局の数々が繰り広げられました。

本大会は2025-2026シーズンより年齢区分を変更し、大学生・大学院生・高専4年生以上かつ満25歳以下を対象とする「雀魂杯」と、中学生・高校生・高専1~3年生までを対象とする「雀魂杯U-18」の2つのカテゴリーにて実施。約1年をかけ「東場」から「北場」までの全4回を毎回異なるルールで開催し、それぞれの王者を決めます。

さらに各回の王者がチームとなって戦う「ALL LAST」も年度末に実施。「雀魂杯優勝者チーム」「雀魂杯U-18優勝者チーム」「ゲストVtuberチーム」「ゲストプロチーム」が出場するチーム戦を行います。

今回のYostar Plusでは、そんな「雀魂杯」2025-2026シーズンの最初の決勝となる東場の様子と、本大会と関わりの深い明科瑞希プロ、綱川隆晃プロが語る「雀魂杯 学生麻雀選手権」の魅力についてのお届けします。

【「雀魂杯 学生麻雀選手権」2025-2026 東場 出演者(敬称略)】
MC:咲乃もこ(Vtuber)
解説:綱川隆晃(日本プロ麻雀協会)
ゲスト:朝陽にいな(Vtuber)

【「雀魂杯 学生麻雀選手権」2025-2026 東場 U-18 出演者(敬称略)】
MC:咲乃もこ(Vtuber)
解説:綱川隆晃(日本プロ麻雀協会)
ゲスト:仲林圭(日本プロ麻雀協会/U-NEXT Pirates)

劇的な大逆転で幕を閉じた「雀魂杯 学生麻雀選手権 2025-2026」東場

「雀魂杯 学生麻雀選手権 2025-2026 東場」は、東京大学のsrelee選手の大逆転勝利で優勝を飾りました。その姿はまさに不屈。優勝するために今何ができるか?を都度計算し、その答えに誤りがなかったことを、最後の倍満で証明しました。

振り返りインタビュー中でも断言するほど、どんなに苦しい状況でも優勝以外に目もくれず、緻密かつ大胆なゲーム運びを完遂。その対局内容には、解説の綱川隆晃プロも「僕は条件戦で何回も計算ミスをしたことがある。あの状況で冷静に100点単位で計算しきって、リーチできるという判断が大きな勝因になったと思います。素晴らしいアガり」と太鼓判を押しました。

srelee選手(東京大学)

FIRST STAGE1回戦ではsrelee選手が1位でフィニッシュも、続く2回戦では3位。各選手の奮闘もあり、FINAL STAGEでは誰が優勝してもおかしくない混戦模様となりました。

そんな中srelee選手は東4局の時点では4位に後退するなど厳しい状況が続きますが、起死回生の跳満により2位浮上と、首位を走っていた埼玉大学のREKI19選手の背中が見え始めました。

REKI19選手(埼玉大学大学院)

しかしその直後、REKI19選手の満貫が炸裂。綱川プロも「優勝にかなり近づいた」とコメントするなど、srelee選手からすれば、迫っていた背中がまた遠のく状況に。この満貫にはそれまで対局中にほとんど表情を変えなかったREKI19選手も、思わずガッツポーズを見せます。

天邪鬼:選手(明星大学)

さらには明星大学の天邪鬼:選手が跳満ツモアガりで2位に浮上すると、その後もアガりを見せる展開に。一時はsrelee選手に関して、山形大学のヒトキン選手との3位争いが焦点になるものになるかと思われました。

ヒトキン選手(山形大学)

しかしそこからの展開が圧巻でした。南3局では跳満ツモアガり、南4局でついには倍満でアガリ。自らの手で一気に勝利を掴みとりました。

この劇的な状況に苦笑いする天邪鬼:選手、拍手を送るREKI19選手。さらには呆然とするヒトキン選手。なおヒトキン選手は、今回大会で大きな見せ場はなかったものの、「雀魂杯」の決勝の場には2回目の登場となる実力者でもあります。現在は大学4年ということもあり、今年がラストイヤー。残り3回の「雀魂杯」での王者を目指します。

その試合運びの巧みさにプロ雀士も絶賛!U-18の熱戦!

「雀魂杯 学生麻雀選手権 2025-2026 U-18 東場」は、中央高等学院のれいんえふ選手の優勝で幕を閉じました。勝利者インタビューでは「最後の半荘は手が良かった」と謙遜を見せ「優勝が出来てすごく嬉しい」と喜びをあらわにしました。

解説の綱川隆晃プロは「手が良い時にアガり切ることが大事」とその実力を認め、ゲストの仲林圭プロからも「状況判断や心理戦の部分が素晴らしかった」と高い評価が。MCの咲乃もこさんも「FINAL STAGEにおいても、果敢にリートをして、自分自身が局を進める攻めの姿勢を見せていた。もちろん配牌に恵まれた部分もあったけれど、(優勝は)攻めの姿勢があったからこそでは」と太鼓判を押します。

れいんえふ選手(中央高等学院)

FIRST STAGE 1回戦でのれいんえふ選手は、自身が特徴として掲げているリーチ主体の攻撃的な雀風で、トップを獲得しました。FIRST STAGE 2回戦に向けての意気込みも優勝するための条件を口にし、「ラス回避を頭に入れつつしっかり打ちたい」とコメント。

その一方でFIRST STAGE 2回戦で、れいんえふ選手がラスを引いてしまうのが麻雀の怖さです。対局後のインタビューでは、その表情と力ない返事に思わず笑いが起こる実況解説席。ラスを引いたものの、各所の判断に関しては仲林プロも認めるところで、たろたろつぁん選手のりーチに対しての放銃も「あの状況であれば仕方がない」と不可避だったことを擁護していました。

なんくくん選手(静岡県立浜松工業高等学校)

FIRST STAGE 2回戦のトップはなんくくん選手。2回戦ではようやく自分のスタイルが出来たことでトップを取れたとコメント。なんくくん選手は『雀魂』で麻雀を初め、実牌では対局未経験と、『雀魂』生まれ『雀魂』育ちの選手。自身の速攻とオリの堅実型を掲げるも、「1回戦はラスだったこともあり、2回戦ではトップを取るために攻めもした」とその心境を明かしました。

FINAL STAGEでは1回戦・2回戦の順位の関係から、トップを取ることで優勝という大一番になりました。東一局から、れいんえふ選手が満貫でアガり、幸先の良いスタートを切りました。続く東2局では、なんくくん選手が同じく満貫でアガるなど、攻防が続きました。

試合が大きく動いたのは東4局。今回最年少ながらも、優勝候補の一角として見られていた、たろたろつぁん選手の放銃で、れいんえふ選手がさらに点数を稼ぎ優勝に更に近づく展開に。 続く南1局でもツモでアガるなど勢いは止まらず、南3局でも自分でアガり、まさに盤石。その勢いのまま優勝を勝ち取りました。

たろたろつぁん選手(北海道札幌平岡高等学校)

その匠な打ち筋と戦略が光った、たろたろつぁん選手。インタビュー時の対局振り返りでは、その的確な発言に「女流プロと会話しているよう」とのコメントが綱川プロからも飛び出します。もちろんチャット欄も大いに湧きました。

FINAL STAGEでは、特に配牌に恵まれないながらも、その打牌に類まれなる経験値を感じさせるなど、ひときわ目立った選手であることは間違いないでしょう。

「またこの場に立てるように頑張ります」という言葉通り、念願の「雀魂杯」での優勝を目指すそうです。

ただのはやし選手(本郷高等学校)

また今回は惜しくも4位に甘んじてしまった、ただのはやし選手。「いい手が全然入らなくて、本当にきつかった」と大会を振り返っていました。

とはいえ、ただのはやし選手は麻雀歴がまだ8ヶ月(!)。本戦では国士無双を繰り出すなど、300人近い出場者の中から決勝に選ばれただけの実力を備えた選手であるではないでしょうか。本郷流の麻雀の真の力を見せる日が近いうちにくるかもしれません。

大会ディレクターの明科瑞希プロに聞く、『雀魂杯』の新シーズン

――:本日はよろしくお願いいたします。「雀魂杯 学生麻雀選手権」2025-2026シーズンが開幕しました。改めて学生麻雀選手権の魅力について教えてください

2020年に開始した「雀魂杯」は今年で6年目のシーズンを迎えました。私自身も2020~2022年にかけて一選手として出場し、現在は大会ディレクターという立場で携わせていただいているわけですが、当時から変わらないのは「麻雀ってこんなに熱い競技だったんだ」と感じさせてくれるドラマ性です。学生ならではの柔軟な発想から繰り出される一打、そこからの劇的な逆転、このドラマ性こそが「雀魂杯」の一番の魅力だと思います。

――:昨年新設されたU-18は、今年から年齢区分をより明確化しました。どういう意図があったのでしょうか

出場される学生の皆さんに、より同年代同士での対戦の機会を多く提供したいという意図をもって決定しました。
競技化を進めていく上で、年齢の近いライバルとの競争というのは必要不可欠だと思っています。他のスポーツや将棋、囲碁などを見ると、学年によって部門が分かれているのはごく普通のことですよね。この「ごく普通」の状態に麻雀ももっていきたい、という狙いがあります。

――:また年度末に実施される大会も、各大会の優勝者が集い年間王者を決する「グランドファイナル」から、「雀魂杯」「雀魂杯 U-18」それぞれの優勝者がチームを組み、プロ雀士やVTuberチームと対決する「ALL LAST」へと変更となっています。その狙いを教えてください

実はALL LASTへの変更は昨シーズンから案としては出ていました。今シーズン変更に踏み切った最大の理由としては、昨シーズンのグランドファイナルに出場した各大会の優勝者同士の交流が盛んだったことです。彼らが個人戦を戦うのではなく、一つのチームとしてプロやVTuberに挑む姿を見てみたいと運営一同考え、ALL LASTの開催を決めました。
もちろん年間王者が決まるグランドファイナルも沢山の魅力がありましたが、ALL LASTも負けず劣らずの魅力的な企画になると思いますので、ご期待ください。

――:今シーズンの見どころを教えてください

今シーズン、特に力を入れているのは美術面です。トロフィーとユニフォームのデザインを刷新し、対局会場にはスタジオセットが入りました。

また新しく生まれ変わった「雀魂杯」、選手の想いが詰まった一打が繰り出す、新たなドラマにご注目いただければと思います。
今後も選手の皆さんに出場したいと思っていただけるよう、各所連携してクオリティアップに努めてまいります。
また協賛企業の皆様におかれましては、いつも雀魂杯をご支援いただきありがとうございます。今シーズンも大会を通して学生麻雀の魅力を余すことなく伝え、麻雀業界の普及・発展に努めてまいります。引き続き宜しくお願いいたします。

綱川隆晃プロに聞く、学生の麻雀熱とその魅力

プロ雀士であり、長年「雀魂杯」の解説を行っている綱川隆晃さんにもお話を伺いました。

――:最近の若い世代の麻雀熱に対してどう思われていますか

僕自身が高校の麻雀部の顧問をしていることもありますが、若い世代の麻雀に対する熱は年々増加しているように思います。ひとえに導線になりやすい麻雀アプリがあるから、という点が大きいと思っています。

――:私の肌感でしかないのですが、出場している選手のレベルが年々上がっているように見えます。

麻雀のゲーム性として、毎回最上位帯の選手が押し寄せるということはないのですが、それでも「雀魂杯」U-18の大会技術として、そのレベルを越えている選手は結構見かけます。

「雀魂杯」に出場してくる大学生で言えば、今すぐプロになっても通用するだろうなと思う選手もいます。麻雀のようなゲームでは、若年層のレベルは歴史を重ねると共に上がっていきやすいんだと思います。

特に麻雀は10年くらい前までは未開のジャンルでした。メディアの進化で情報を拾いやすくなったことも、若年層のレベルアップへと、思っている以上に繋がっているのではないかと考えています。

――:U-18東場に出場していた、ただのはやし選手も麻雀歴8ヶ月で決勝へと出場してきました

そうなんです。初めて8ヶ月でここまで勝てるということは、スポーツなどでは難しいと思います。例えば、野球やサッカー、個人競技で言えば走り幅跳びなどで、8ヶ月練習してインターハイに出ることはかなり難しい。そういう意味では、知識ゲームならではの部分がいい方に働いているのではないかと感じます。

情報を集めてインプット・アウトプットできれば戦えるようになる、それが麻雀の醍醐味の1つです。とはいえ、実際にそれを繰り返して、決勝まで出てくるのは大変なことです。

――:決勝に出場してくる子達のポテンシャルの高さには目を見張るものがあります。私が高校生の頃に比べて、受け答えの部分から、もうしっかりしていますから(笑)。では最後に、いよいよ始まった「雀魂杯 学生麻雀選手権 2025-2026」、今シーズンの見どころを教えてください。

「雀魂杯」は、理由がわからないのですがドラマが起こりやすいです。またドラマが起こらなくてもおもしろいんです。

やっぱり、若者が一生懸命やっているだけで、心を揺さぶられるんでしょうね。元気になる気持ちもあり、不思議な魅力を感じます。甲子園などを熱心に見ている人であれば、その気持ちはわかってもらえるんじゃないかと思います。

まずは一回見て欲しいです!

――:ありがとうございました


なお現在「雀魂杯 学生麻雀選手権」2025-2026 南場の出場者を募集中です。南場のルールは「三人麻雀」。参加費は無料、締切は2025年6月30日まで!決勝への往復交通費と宿泊費の支給ありです。

ぜひご応募ください!

この記事をシェアする