「雀魂杯」2024-2025シーズンを振り返り!キーワードは“コミュニケーション”!?

2025年3月9日、「雀魂杯 学生麻雀選手権2024-2025」グランドファイナルをもって今シーズンの学生向けの大会「雀魂杯」全日程が終了しました。参加者1,913名の中の頂点を勝ち取ったのは、岐阜聖徳学園大学のseiMya選手でした。
seiMya選手は、過去「雀魂杯 オンライン学生麻雀カーニバル 2022-2023西場 決勝」に出場。唯一の高校生選手として奮闘しながらも惜しくも2位となり、グランドファイナルへの出場を逃しました。
あれから2年。大学への進学と共に、麻雀の腕を磨き、「雀魂杯 学生麻雀選手権2024-2025」南場の優勝をもってグランドファイナルへの出場権を獲得。ついには、シーズン優勝の栄冠を掴み取りました。
今回のYostar Plusでは、「雀魂杯 学生麻雀選手権2024-2025」グランドファイナルの様子と、今シーズンの「雀魂杯」全体の振り返りをお届けします。
【出演者】
MC:咲乃もこ さん(Vtuber)
ゲスト:千羽黒乃 さん(Vtuber)
ゲスト:鴨神にゅう さん(Vtuber)
プレゼンテーター:三輪木大 (Yostar/社長室室長)
念願の「雀魂杯」総合優勝、2年前の雪辱を果たす


前述の通り、seiMya選手は2年前に「雀魂杯 オンライン学生麻雀カーニバル 2022-2023西場 決勝」に出場。実況解説のプロ雀士からは「胃が痛くならないか心配になるくらい我慢していた」と評されるほど、硬い守備を持ち味にインパクトを残していた雀士です。惜しくも2位となりグランドファイナルへの出場権を逃しましたが、その振り返りの際には、自身の敗因を細かく分析。その解像度に現場に居た関係者が舌を巻いていたのが印象的でした。
あれから2年。大学へ進学し、麻雀の腕を磨き、ついには念願のグランドファイナルへ。そして勢いそのままに、優勝を勝ち取っていきました。
しかし大会後に聞いてみれば「本番を迎える前までは優勝できる自信はあったけど、いざ始まると初戦ラスになったことも相まって自信は段々無くなっていきました。なんとか勝てて良かった…」と、本人はいたって控えめ。
その背景を探ると「2年前。決戦の場に立った高校生が自分だけ、という事もあり少々天狗になってた所もありました(笑)」と当時を振り返りつつ、同時に麻雀界には自分より強い人が沢山いるという実感を得たことで、様々な悩みを大会後には抱えるようになっていたことが影響しているそうです。

そこで手本としたのが、麻雀番組で実況などを担当する日本プロ麻雀連盟の日吉プロらの背中です。2年前から一貫して語っていた「自身が辛いときに支えとなった麻雀を広める」という目標を実現すべく、日々麻雀の腕を磨くのはもちろん、芸人やアナウンサーを参考にコミュニケーションスキルの勉強などもしているとのことでした。
また「雀魂杯」決勝での配信は思わぬキッカケを生み出すことにもなったそう。というのも、配信を見たユーザーからコンタクトがあったことを発端とし、雀力を問わずただ楽しく麻雀を打つことを目的としたコミュニティを作ったのだとか!
もちろん麻雀が強くなりたい人に対しては勉強会を行いプレイヤーのスタイルや段位に応じたアドバイスを行うなどし、大会前になればトレーニングや戦法のディスカッションなど、本番に向けての準備もコミュニティ内で協力し切磋琢磨しながら行っていたそうです。
実際に先日行われた18歳以下が対象の「雀魂杯 学生麻雀選手権 2024-2025 U-18グランドファイナル」においては、決戦の場に登場した4選手のうち、3選手が同コミュニティに所属していました。日常的に「麻雀が好き!」という気持ちを持つ同士で様々なコミュニケーションを取っていく中で、その活動は早くもU-18大会でのparu22選手、そして今回のseiMya選手のW優勝という、これ以上ない結果をもたらしました。

2位に入賞したのはパラです選手。グランドファイナルの前日に行われた「雀魂杯 学生麻雀選手権 2024-2025 北場 決勝」で優勝し、連日の決戦舞台への登場となりました。ファイナルステージまでは、3位→4位→3位と下位で停滞するもファイナルステージでは怒涛の和了りを見せ、あわや大逆転優勝なるかと大会を大きく盛り上げました。しかしそれもあと一歩及ばず。表彰式では「学生生活最後の『雀魂杯』になりますが、とても楽しかったので、学生のみんなは参加して盛り上げて欲しい」と視聴者に呼びかけていました。

惜しくも3位となったイきりキッズ選手。1stステージ1位、2ndステージ2位、3rdステージ1位。特に3rdステージの東1局では、国士無双で和了るなど、大いに盛り上がりを見せました。ファイナルステージでは首位発進するも、seiMya選手やパルです選手の猛追を防げきれず。その名前とは裏腹に非常に物腰が柔らかく、イキったのは表彰式での「悔しかったので、リベンジしてボコします」と述べた一幕だけで、その後一礼するなど、あくまでもその丁寧な姿勢は崩しませんでした。

学生魂天でもあり、各選手から注目されていた、くまのこどう選手はまさかの4位に。1stステージでは2位→2ndステージは1位と好調を維持するも、3rdステージでイきりキッズ選手の国士無双を放銃して以降、3rdステージからファイナルステージにいたるまで連続してラスを引くなど、前評判の高さと実力に反比例してツキに見放された格好でした。

「楽しい大会だったけれど、悔しかった」という言葉は、くまのこどう選手の本大会のすべてを表しているでしょう。実際にくまのこどう選手は、スタジオ内の撤収時ギリギリまで、『雀魂』内で対局の振り返りを行っていました。その後も控室でseiMya選手や大会スタッフと麻雀について語らっており、この悔しさがまだ記憶に新しい内に敗因を深堀りしていくことで、今後の糧として繋げていきたいという強い意思が垣間見える様子が印象的でした。
「雀魂杯」2024-2025シーズンはコミュニティの力が可視化される

さて、これにより「雀魂杯」は無事に2024-2025シーズンの全日程を終了いたしました。今シーズンからU-18部門を新たに創設したことで年間を通して大会が4→8大会へと増え、これにより大会合計で2,992名もの学生のみなさんにご参加いただくことができました。
「年々競技レベルの向上が著しい」と大会スタッフや実況・解説陣は口を揃えていましたが、その背景にはseiMya選手たちが明かした通り、選手同士での日々の交流や切磋琢磨がありました。まさに2024-2025シーズンは、コミュニティや横の繋がりのもたらす力が可視化されたシーズンだったように思えます。
これまでを振り返っても、「雀魂杯は自身のルーツ」と度々口にし現在では大会運営に携わる明科瑞希プロも、学生時代の大会出場によって仲間に出会い、敗退時にはそのコミュニティ内で夜な夜な通話をしながら牌譜検討を繰り返したそうです。その経験はきっと明科プロにとっても、今のプロ雀士生活の礎になっているのではないでしょうか。

またオンラインのコミュニティにとどまらず、何十年も前であれば眉をひそめられたであろう部活としての「麻雀部」の活動も、昨今では様々なメディアにも取り上げられるなど活発に、少しずつ一般化してきている様子が見られます。
麻雀が過去のイメージから解き放たれつつあり、健全なコミュニティの中で過ごす時間が増える。楽しさを共有する仲間がそこにはいる。そこでの交流や後押しをキッカケに、プロ雀士へと飛躍していく選手が今後増えていくのかもしれません。今回優勝したseiMya選手も「雀魂杯」への再度の出場に加え、その先にはプロ雀士への道も見据えていると、将来の展望を語っていた姿が印象的でした。
「雀魂杯」のパートナーであるYostarも、そんな機会が少しでも増えていくよう、様々な方法で業界が盛り上げるよう尽力していきます。


