小学生から大学院生まで、卓上の真剣勝負! 「学生雀魂杯 第7期東場」の熱戦をレポート!

小学生からプロ顔負けの大学生まで、世代を超えた若き雀士たちが真剣勝負を繰り広げる「学生雀魂杯」。その第7期東場では、U-12・U-18・U-25の3部門で決勝戦が一日通して開催されました。
学生雀魂杯は『雀魂』を用いた学生向け麻雀大会で、約1年をかけて「東場」から「北場」まで全4回が異なるルールで開催され、各回の王者を決定します。今回の東場では、新設されたU-12部門(小学生)を含む3つのカテゴリーで、決勝まで勝ち抜いた精鋭たちが頂点を競いました。
解説席からは、小学生の対局に「かわいすぎるだろ」「心が洗われた」と感嘆の声が上がる一方、U-18やU-25では「もうこれがプロの試合と言われても何も感じない」と舌を巻く場面もあり、一日を通して、麻雀という競技の裾野の広がりと未来を感じさせる大会となりました。
本レポートでは、3部門それぞれの熱戦の模様をお届けします。
ぜひご覧ください!
【出演者(敬称略)】
・MC:咲乃もこ(VTuber)
・ゲスト解説:多井隆晴(RMU/渋谷ABEMAS)
・ゲスト解説:日向藍子(最高位戦日本プロ麻雀協会/渋谷ABEMAS)
・レポーター:鈴木楓(日本プロ麻雀協会)
U-12部門 ── 初代王者は「未来のとっしー」選手

第7期から新設されたU-12部門は、その名の通り小学生が対象の新カテゴリーです。記念すべき初代王者を決める決勝戦には、本戦を勝ち抜いた4名の小学生雀士が集結。半荘一回というシンプルな条件の一発勝負。最後の最後まで誰が勝つか分からない大熱戦が展開されました。
解説席からは「こんな時代なんだな、かわいい子たちが麻雀を打つなんて」と感嘆の声が止まず、「みんな優勝でいいじゃない」という冗談まで飛び出すほど。ただ実際に対局が始まれば、選手たちの打牌は速く、的確で、実況・解説陣が何度も舌を巻く場面が続きました。
◆出場選手
・そうぱんだ(小学3年生)
・未来のとっしー(小学4年生)
・yuuichiM(小学4年生)
・めんだこ0709(小学4年生)

「優勝してみせます」と選手紹介で力強く宣言した未来のとっしー選手。その言葉どおり、U-12部門の記念すべき初代王者の座を、見事な逆転劇で掴み取りました。
序盤、リーチを受けて慎重に安全牌を選ぶ冷静な打ち回しを見せ、実況陣も「冷静」「すごいよ」とその落ち着きに驚きの声。南1局には先制リーチを打つと、親とのめくり合いに勝利。リーチ・ツモ・一盃口・ドラ2・裏1の跳満を成就させ、一気にトップ目へと抜け出しました。
しかし麻雀の怖さはここから。トップ目で迎えたオーラス、めんだこ0709選手に2000オールをツモられ一度は逆転を許すと、勝負はオーラス1本場へ。それでも未来のとっしー選手は優勝をかけたリーチを敢行。直後に追っかけリーチを受け、しかも相手の待ち牌の方が多いという絶体絶命の状況に、解説陣も「終わったと思った」と息を呑みました。
それでも最後はリーチ・一発・平和・タンヤオ・赤1の満貫を成就。再逆転を果たして初代王者に輝きました。表彰式で優勝の喜びを誰に伝えたいか問われると、未来のとっしー選手は迷わず「家族のみんなに伝えたい」と即答。練習はお母さん、お父さん、そして弟と、家族全員に付き合ってもらってきたといいます。カメラに向かって「練習に付き合ってくれてありがとう」と感謝を伝える姿に、スタジオも温かい空気に包まれました。

わずかな差で準優勝となっためんだこ0709選手。「門前守備型」を自認する打ち筋の通り、どっしり構えて中高打点のリーチを狙っていく安定感。その真骨頂が発揮されたのがオーラス。親番で「アガリやめなし」という条件のもと、当初は手を高く構えようと一度は鳴きを見送るも、次順に2枚目が打たれると「これは鳴くべき」と判断を切り替え、リーチ者のアガリ牌を喰い取ってアガり切り、一度は再逆転しトップへ。「最初は鳴かなかったのに、判断を切り替えた。素晴らしい、柔軟だね」と多井プロも賛辞を送りました。
対局中はクールな表情で打ち切り、「絶対プロになるだろ」とまで言わしめた、めんだこ0709選手。普段から雀魂をしっかり遊び込んでいるそうで、好きな雀士でフレームや称号まで装飾している点も話題に。「今使っているのは2番目に好きなキャラ。1番好きなキャラはまだ契約を結んでいない」という”ガチ勢”っぷりあふれるコメントには、解説陣も思わず笑顔に。表彰式では「1位にはなれなかったけど、楽しかったです」と振り返りました。

3位となったyuuichiM選手。お父さんから麻雀を教えてもらったことがきっかけで始め、雀歴はすでに約4年。東1局の1打目から集中した表情で対局に入り込み、実況陣からも「めっちゃかっこいい」「受け答えもしっかりしている」と称賛されました。見せ場はオーラス。ツモれば逆転優勝というリーチを打つも、アガリ牌はめんだこ0709選手に喰い取られてしまう悔しい結果に。表彰式では「悔しいけど、めっちゃ楽しかった」と涙を浮かべながらも笑顔で語り、「来年は絶対頑張ります」と次への意気込みを見せました。

今大会唯一の小学3年生、最年少出場ながら堂々の戦いを見せたそうぱんだ選手。「優勝したいです」と語っていた通り、随所で実力を発揮しました。特にオーラスでは、自身に課せられた優勝条件を把握し、純チャン三色を見据えた四萬切りに解説陣も大絶賛。惜しい結果となりましたが、その打牌に大きな期待を寄せられました。表彰式では「悔しかった」と素直な気持ちを口にしつつ、次回以降への再挑戦が期待される存在として、温かい拍手で送り出されました。

今回から新設されたU-12部門。控室には、出場した4選手の家族が顔をそろえていました。
序盤こそ和やかな空気で画面を見守っていた家族たちでしたが、局が進むにつれ、その表情には少しずつ熱がこもっていくのがわかりました。歓声を上げることはほとんどないものの、自分の子どもが今まさに振り込もうかという場面では、思わず家族の服の裾を強く握りしめる一幕も。そんな緊迫した状況の中でギリギリで放銃を回避すると、その手の力がそっとほどけていくなど、それぞれの緊張と安堵が確かに行き交っていました。
そして対局が終わると、ここまで戦い抜いた子供たちへの、温かな労いの拍手が自然と起こりました。

また配信中の悔しさを胸の内にしまい込んだまま、最後まで気丈に振る舞っていた選手も、対局を終えて両親のもとへ向かったとき、こらえていたものがあふれ出てしまう一面も見られました。こちらもU-12ならではの光景だったと言えるでしょう。
U-18部門 ── 九州からの刺客・konro_85選手が逆転勝利!

中学生・高校生が腕を競うU-18部門。300名以上の参加者の中から勝ち上がってきた4名の精鋭が、優勝の座をかけて決勝の舞台に立ちました。半荘2回勝負、しかも2回戦目は全員に優勝の可能性が残る条件戦。最後の最後まで誰が勝つか分からない、まさに「これも麻雀だから」という言葉がぴったりの劇的な展開となりました。
打牌の速さと正確さは、解説の多井隆晴プロが「もうこれがプロの試合と言われても何も感じない」と舌を巻くほど。そんな若き雀士たちのレベルの高さに終始驚かされる一戦となりました。
◆出場選手
・konro_85(九州産業大学附属九州高等学校2年)
・敗北者みこぱち(本郷高等学校2年)
・ピノット麻雀(広尾学園中学校2年)
・Mr四着回避(渋谷教育学園渋谷高等学校2年)

「次トップを取って優勝したい」。1回戦を2着で折り返したkonro_85選手が、その言葉どおり最終戦のオーラスで歓喜の逆転優勝を飾りました。
金曜日に九州から家族で東京入りし、選手紹介では「めっちゃ緊張してます」と硬さを見せていたkonro_85選手。それでも対局が始まると、正確な打牌で着実に局を進めます。
迎えた2回戦のオーラス。優勝のためには逆転条件を満たす跳満アガリが必要という難しい局面で、konro_85選手は着実に手を育てていきます。鳴きを重ねる手順で見事に跳満。トップ目だった敗北者みこぱち選手をまくりました。
優勝条件をしっかり満たした打ち回しに、解説陣も「(役を)作った人を褒めるしかない」と最大級の賛辞を送りました。普段の麻雀の勉強法を問われると「勉強はしてなくて、ずっと打ってるだけです」と即答。約2年間、ひたすら数を打ち込んできたといいます。優勝の喜びを伝えたい相手として「両親と友達」を挙げ、カメラに向かって「優勝しました。ありがとうございます!」と感謝を伝えました。

惜しくも準優勝となったのが、2月のU-18北場でも決勝に進出していた本郷高等学校の敗北者みこぱち選手。「前回3位だったので、リベンジして優勝したい」と意気込んで臨んだ一戦でした。1回戦は序盤に放銃が続く苦しい展開ながら、東4局以降に配牌が好転。終わってみればきっちりトップを獲得する地力を見せつけました。
2回戦に入っても安定した打ち回しで道中はトップを快走。解説陣も「99パーセントぐらい優勝だなと思っていた」と語るほど盤石に見えました。しかし麻雀は最後まで分からないもの。オーラスでkonro_85選手の跳満まくりを受け、まさかの2位に。「結構ミスが多かった」と冷静に自己分析しつつも、悔しさをにじませました。最後に「前回3位、今回2位ときているので、次は絶対優勝します」と力強く宣言しました。

「2年前のリベンジ」を掲げて臨んだのが、学生麻雀の常連で多井隆晴プロの弟子を自称するMr四着回避選手。その名の通り、まずはラスを回避しつつ着実に上位を狙う戦略が光りました。1回戦は東場で4局連続のアガリを決めるなど好調なスタートを切り、「1回戦ラス回避」という当初の目標を達成。堅実さの中に勝負どころを見極める判断力を見せました。
惜しまれたのは2回戦の南3局。ドラの發を暗刻に抱えたkonro_85選手の手に対し、五筒(ウーピン)を放銃してしまう場面がありました。本人も「焦って打牌が早くなっていた。あそこは一度9索(キューソー)を切っておくべきだった」と的確に反省。この言葉に日向プロも「すごく良い反省」とコメントすれば、多井プロも「自分と打ち方が似ている。うまく打ってるところも、裏目になるところも俺に似てた」と冗談交じりに評していました。

今大会唯一の中学生として、高校生たちに堂々と挑んだピノット麻雀選手。選手紹介で「絶対勝ちます」と言い切った14歳は、その言葉どおり物怖じしない打ち筋を見せました。ただ残念ながら手牌に恵まれない苦しい展開が続き、オーラスは七対子(チートイツ)の跳満ツモで3位を狙うも実らず4位。「苦しい展開が続いて悔しい」と振り返りつつ、「最初はずっと緊張して手が震えていたけど、結構楽しかった」と決勝戦を振り返っていました。「また戻ってきて絶対優勝したい」と、まだ多く残されたチャンスへの意欲を見せました。
U-25部門 ── genbu_選手が史上初の連覇を達成

大学生・大学院生が腕を競うU-25部門。各部門の中でも最も完成度の高い麻雀が見られるこのカテゴリーには、関西から集結した4名の実力者が決勝の舞台に立ちました。U-25部門は点差が二転三転する超ロングマッチに。genbu_選手が、今年2月「雀魂杯 学生麻雀選手権」2025-2026 北場で優勝。U-25史上初の連覇を狙う一戦、結果だけ見れば圧勝も、その過程には運だけではないgenbu_選手の強さの真髄が見られました。
◆出場選手
• genbu_(京都大学4年)
• 4576(立命館大学大学院2年)
• るーくん@(神戸学院大学2年)
• めーるだよ(龍谷大学2年)

「前回王者として、きっちり実力を出し切って連覇してやろうと思っています」。選手紹介でそう宣言したのが、2月の大会を制しているgenbu_選手。U-25カテゴリーでまだ誰も成し遂げていない連覇に挑み、その言葉どおり史上初の偉業を成し遂げました。
インタビュー慣れした受け答えから、解説陣も「来年あたりプロになっているんじゃないか」と評するgenbu_選手。その実力は対局でも遺憾なく発揮されました。1回戦では、發のダブルリーチャンスの局で1枚目の發をあえてスルーする高度な選択を披露。「ドラを引いた時の変化や、六九萬を引いた時のシャンポンの強さを考えると、スルーした方がいい」という、本人が直近2〜3か月で覚えたばかりという技術がぴたりとはまりました。解説の日向プロも「これは多井プロでも發をスルーする、すごく上手」と絶賛しました。
ただしそう簡単にはいかないのが学生麻雀のという舞台です。迎えた最終戦は、ライバルの4576選手に肉薄され、緊迫した条件戦に。中盤には親番で五筒(ウーピン)、六筒(ローピン)を切っていれば8000オールという惜しい局面もあり、genbu_選手が悔しさに顔を覆う一幕も。それでも諦めずに最善の打牌を続けると、オーラス12000のアガリで逆転。見事に連覇を決めました。
「今日は一戦目も二戦目もオーラスで、自分以外の横移動によって得をした。天に味方された勝ち方」と振り返ったgenbu_選手。それでも「そういうラッキーを拾えるように、他の局をちゃんと打っていたのが良かった」と冷静に分析しました。
これには解説陣も「正しい打牌を打って優勝している」「ラッキーを受けられるところにいる」と、その打牌と姿勢を称えました。
genbu_選手は最後に「3回目、4回目の優勝もかっさらってやろうと思っている」と更なる挑戦を宣言しました。

「あと一歩、2センチくらいの差だった」と評されたのは、2位の立命館大学大学院の4576選手。1回戦の東1局からいきなりリーチ・一発・平和・ドラ1・裏2の跳満をアガるなど、好調なスタートを切り、2着で終えました。2回戦も、東場の親番で連荘を重ねて「楽しいくらいアガれた」と振り返るほどの猛攻。「優勝が見えた」と表彰式で語っていました。
しかしオーラスで、リードしていた点差にgenbu_選手が肉薄。勝負どころでアガリに向かうも、わずかな差で連覇を許す形となりました。「2連覇を止めることはできなかったけど、楽しめたので良かった」と清々しく語る姿に、解説陣も惜しみない拍手を送りました。

3位となった神戸学院大学のるーくん@選手。「自分のベストを尽くせるように頑張ります」と緊張の面持ちで臨んだ決勝で、最後まで攻めの姿勢を貫きました。1回戦は横移動の続く苦しい展開ながら、形式テンパイを丁寧につなぎ、5800点の親番アガリも決めるなど着実に着順を守りました。
印象的だったのは2回戦南2局、5巡目に1枚も場に見えていない4・7筒待ちでツモれば6000オールからのリーチを敢行した場面に、解説陣も高評価。ただし5巡目にも関わらず山0枚と、運に見放された日でした。オーラスでは自身のアガリで全員の着順が決まる難しい局面で、「自分の着順条件が一番近い目指せる条件」と冷静に判断し、自分の得を取りに行く打ち回しを見せました。「3位という結果になったけど、また決勝に戻ってきてリベンジできるよう精一杯頑張る」と次回への決意を語りました。

4位となったのが、「全局参加の攻撃的麻雀」を信条とする龍谷大学のめーるだよ選手。前日に新宿観光でリフレッシュして臨んだ決勝でしたが、麻雀の厳しさに直面する二戦となりました。1回戦の東1局、東2局と、いずれも押すべき手でやむ無しの連続放銃。さらに好配牌からの放銃も重なり、序盤で大きく後退する苦しい立ち上がりとなりました。
それでも海底ずらしなど、随所に光るものを見せ、解説陣も「やれることをきっちりやっている」とそのプレーを評価。2回戦オーラスには地和のチャンス手が入るも1巡目にポンされるなど、厳しい状況は変わらず。「最初の放銃がきつすぎた」と悔しさをにじませつつ、「今年も西場、北場に出るつもり。なんとか決勝に残って優勝を目指したい」と前を向きました。
大会終了後に「年々、学生の中で麻雀が流行ってきているのを色濃く感じる」「プロでもかなわないんじゃないかという選手がたくさん出てきて、とても嬉しい」と語った解説陣。家族で練習を重ねてきた小学生、九州から駆けつけた高校生、連覇を成し遂げた大学生──それぞれの「過程」を背負って臨んだ若き雀士たちの戦いは、勝敗を超えて見る者の心を打つ名勝負となりました。
なお次回の「学生雀魂杯」第7期南場のルールは三麻です。現在、学生麻雀連盟の公式サイトで出場者を募集中。決勝は8月2日(日)です。楽しみにしてお待ちください。

この記事をシェアする






