【学生雀士、打ちたい盛り Vol.2】genbu_選手インタビュー U-25連覇を支えた学びと、プロへの決意

オンライン麻雀ゲーム『雀魂-じゃんたま-』が協力し、一般社団法人「学生麻雀連盟」が主催する学生向け大会「学生雀魂杯」(旧:雀魂杯 学生麻雀選手権)。
小学生から大学院生まで、幅広い世代の学生雀士が集うこの大会で、U-25カテゴリー史上初となる連覇を成し遂げた選手がいます。それが、genbu_選手です。
「雀魂杯 学生麻雀選手権 2025-2026 U-25北場」で初優勝を飾ると、続く「学生雀魂杯 第7期東場」でも頂点へ。二度続けて結果を残すことは、どんな実力者であっても決して簡単なことではありません。
「結果は過程が作る」。
これは、genbu_選手が麻雀に向き合う中でたどり着いた言葉。勝利を強く求めるからこそ、目の前の局面で最適解を探し続ける。仲間から学び、自分の中の“当たり前”さえ更新していく。そんな日々の積み重ねの先に、U-25カテゴリー史上初となる連覇がありました。
Yostar Plusの連載企画「学生雀士、打ちたい盛り」第2回では、麻雀との出会いから連覇の舞台裏、そしてこれからの目標までお聞きしました。
ぜひご覧ください!
「こんなに考えることがある」麻雀に惹かれた理由

――:本日はよろしくお願いします! まずは、genbu_選手が麻雀や『雀魂』を始めたきっかけから教えてください。
genbu_:よろしくお願いします!
最初に『雀魂』を触れたのは高校生の頃です。友人に誘われたのがきっかけでした。その時は、ルールがなんとなく分かっていて、役もぼんやり覚えているくらいでしたね。
もともと、物心ついた頃からゲームが好きでした。人より多くのゲームに触れてきたと思いますし、その中でも麻雀とカードゲームは自分にとって特別な存在です。
大学に入ってから麻雀に真剣に向き合うようになったきっかけは、第2期学生麻雀リーグでした。当時、同じアマチュアチームでカードゲームをしていた友人から、「麻雀をやっているなら一緒に大会に出てみないか」と誘っていただいたんです。
――:大会への誘いが、本格的に麻雀を始めるきっかけになったんですね。
genbu_:昔から大会という場が好きだったので、すぐに参加を決めました。ただ、当時の自分には大会で勝つだけの実力が足りないことも分かっていました。人と一緒に大会へ出るなら、自分も真剣に練習しないとチームメイトに失礼だなと。それで本や動画を見ながら、牌効率や押し引きを勉強し始めました。
大会ではチームメイトに助けられて、運よく決勝まで進めたんです。でも、麻雀を学び始めてまだ2カ月ほどだったので、内容は本当に良くなかったと思います(笑)。
自分が出場した大会の配信はよく見返すんですが、あの時の配信だけは今も見ないようにしています(笑)。
――:そこまでですか(笑)。競技としての麻雀には、どんなおもしろさを感じたのでしょうか?
genbu_:FPSや格闘ゲームは、細かいことが分からなくても、大会を見れば「今すごいことが起きた」というのがなんとなく伝わると思います。
一方、麻雀やカードゲームは、ゲームを理解していないと試合を見ても何が起きているのか分かりにくいですよね。それは競技として難しい部分でもあります。
でも、自分は初めて真剣に麻雀と向き合った時に、「このゲームって、実はこんなに考えることがあるんだ」と感動したんです。
知れば知るほど選択肢が増えて、考えることも増えていく。その知的好奇心のようなものが、競技として麻雀に取り組む原点になっている気がします。
友人であり、師である。仲間と積み重ねた成長

――:麻雀を学び始めてからは、どのように強くなっていったのでしょうか?
genbu_:学生麻雀リーグの後に、「もっと強くなりたい」と思って、たまたま見かけた『雀魂』のドラフト制私設リーグ「Σリーグ」に応募しました。
当時の段位は雀傑でした。ただ、カードゲームの大学生リーグで優勝した経験を評価していただいたようで、「伸びしろがある」と見てもらえたのかなと思います。
チームに1人、雀豪3以下の選手を指名する育成枠もあって、そこで指名していただくことができました。
――:カードゲームで積み重ねた経験が、麻雀でも最初の一歩につながったんですね。
genbu_:そうですね。Σリーグをきっかけに、チームメイトや参加者の皆さんから、本当にたくさん麻雀を教えていただきました。
これまでドラフト制私設リーグには延べ5回参加していますが、どのリーグでも、同じチームになった方から学ぶことが多かったです。
一緒に遊んだり、ご飯を食べに行ったりすることもあります。麻雀を通じて仲良くなった友人でもあるんです。
ただ、麻雀に関しては師匠のように尊敬している方々でもあります。なので、自分の中では「友人であり、師」と呼びたい関係です。
――:現在参加している私設リーグ「黎明戦」でも、印象に残っている学びがあるそうですね。
genbu_:はい。以前の自分はカードゲームを主戦場にしていたこともあって、「とにかくすべての勝負で勝ちたい」「結果が欲しい」という気持ちが強かったんです。
でも、黎明戦で一緒に活動しているチームメンバーが、「自分たちが一番いい麻雀を打てば、結果も勝手についてくるでしょ」という考え方をしていて。それにすごく感銘を受けました。
そこから自分の中でも、「結果は過程が作る」という言葉が生まれました。
自分の“当たり前”を、何度でも更新する

――:genbu_選手にとって、「いい麻雀」とはどんな麻雀でしょう?
genbu_:自分の雀風のようなものはいったん置いておいて、目の前の局面における最適解は何なのかを考える麻雀だと思います。
例えば、「自分の雀風ならこうする」「自分はこういうことをしない」と考える方も多いと思います。それが悪いことだとは思いません。
ただ自分は、「この局面では、何をするのが一番いいんだろう」と考えたいタイプです。打牌のたびに最適解を探り続けることが、自分にとってのいい麻雀につながっていると思います。
――:その考え方は、麻雀を始めた頃からあったのでしょうか?
genbu_:今の方が強いかもしれません。始めたばかりの頃は、覚えることがとにかく多かったです。自分に足りていない知識もたくさんあって、まずは知識を身につける段階でした。
「学生雀魂杯」で初めて優勝した頃には、その次の段階に進めていたのかなと思います。知識を増やすだけでなく、学んだことをどう使うかを考える段階です。
もちろん、今でも学ばなければいけないことはたくさんあります。特に手牌読みのような部分は、まだまだ知識が浅いと感じています。
ただ、基礎を身につける段階から一歩進んで、学んできたことを使いながら最適解を考えられるようになってきた。そういう感覚はありますね。
――:それでも、上手い方の麻雀を見ると新しい発見がある。
genbu_:本当に多いです。自分より上手い方の麻雀を見ていると、自分の中の常識とは違う打牌を見ることがあります。
私設リーグでは、チームメンバーの対局を観戦する機会も多いです。その時に見たことのない選択をされていたら、試合後の振り返りで「あの打牌にはどういう意図があったんですか」と聞くようにしています。
理由を聞くと、「自分の中にはそういう引き出しがなかった」と気付かされることがあるんです。
教えてもらったことをそのままにするのではなく、自分なりに咀嚼して、取り入れようとする。その繰り返しですね。
特に最近は、手組みの部分で変化を感じています。1、2年前までは、牌効率や手組みはだいたい分かってきたかなと思っていました。
でも、自分より上手い方と関わる中で、今まで学んできたこととは違う考え方に触れる機会が増えました。時代とともにトレンドが変わる部分もあると思いますし、自分ももう一度アップデートしなければいけないフェーズに来ていると感じています。
段位戦の牌譜をチームメイトに持っていって、「自分はこれを切ったんですけど、別の選択の方が良かったりしますか」と聞くことも多いです。
自分の中で正しいと思っていたことでも、もっといい考え方があるかもしれない。そういう姿勢は、これからも大切にしていきたいですね。
連覇への挑戦。決勝の舞台で探した最善手
――:「雀魂杯 学生麻雀選手権 2025-2026 U-25北場」での初優勝は、genbu_選手にとってどのようなものでしたか?
genbu_:北場で初めて優勝した時は、「ようやく麻雀で一つ実績を残せた」という思いが大きかったです。
ネット麻雀の段位戦で積み重ねてきた実績も大切ですが、大会で結果を残すことにも大きな意味があると思っています。
だからこそ、麻雀の大会で初めて実績を出せたことは本当に嬉しかったですね。
決勝でも、「ここまで来たなら、ちゃんと優勝まで決め切りたい」と思っていて。かなり緊張していました。
――:そして東場では、U-25カテゴリー初の連覇がかかる戦いになりました。
genbu_:東場は北場とはまた違う緊張感でした。麻雀というゲームの性質を考えても、「そんな都合よく2連覇なんてできないだろう」と思っていた方は多かったと思います。過去の歴史を見ても、簡単なことではありません。
だからこそ、東場でもう一度優勝できれば、優勝1回分以上の大きな実績になると考えていました。
予選は連続5戦形式でしたが、2日間で48戦打つなど、これまでで一番真剣に優勝を目指していたと思います。
――:実際に決勝が始まってからは、プレッシャーはありましたか?
genbu_:始まる前はどうしても緊張していました。でも、対局が始まってしまえば目の前の麻雀に没頭するので、対局中はあまりプレッシャーを感じなかったです。かなり自然体で打てていたと思います。
北場で一度決勝を経験していたことで、決勝の舞台の雰囲気も分かっていました。配信のワイプを見ても、北場より東場の方が表情豊かに打てていたんじゃないかなと思います(笑)。
――:誰よりも表情豊かだったと思います(笑)。東場決勝1回戦では、早い巡目で「發」をスルーする選択も印象的でした。どのような考えがあったのでしょうか?
genbu_:あの局面は、3人が競っている点数状況でした。安いアガリを拾うよりも、ライバル二人と大きく差をつけられるアガリを目指すべきだと考えました。
發をスルーしても、ツモで6萬(ローワン)・9萬(キューワン)を引いた時には8索(パーソー)と發のリーチがかなり強力になりますし、發でのロンアガリも見込めます。
もちろん、自分で發を暗刻にしてから6萬・9萬待ちのリーチを打てれば最高ですし、その可能性も残っています。
また、7索(チーソー)をツモった時には両面2つの完全一向聴になるため、發の2枚目をスルーしても問題ない形になることが多い。萬子や筒子が横に伸びて平和形になるケースもあります。
――:目先のアガリではなく、その先の変化を見据えた選択だったんですね。
genbu_:はい。決勝のインタビューでは「最近覚えた技術」とお話ししたのですが、現在の牌姿から、よりいい形になるパターンを想定できるかはすごく重要だと思っています。
ただ、技術を覚えるだけでは使えません。「なぜその技術が優れているのか」「どんな局面で使うべきなのか」を理解して、自分の中に落とし込む必要があります。
あの手牌は、發をポンすればかわし手として有効に機能する一方で、変化を待てば面前で高打点も見込める手牌でした。
まだ1巡目で、変化を待つ余裕があったこと。そして点数状況的に、安い手をアガるリターンが小さかったこと。その両方を踏まえて判断しました。
――:連覇を決めた瞬間は、どんな気持ちでしたか?
genbu_:決勝2回戦の試合展開もあって、喜びというよりは、まず安堵の気持ちが強かったです。
「みんなの期待にようやく応えられたな」と思いました。
麻雀を通じて仲良くなった友人には、自分が真剣に麻雀と向き合い始めた頃から見てくれている方も多いです。そういう方々から「さすがだね」と言ってもらえたのは、ありがたかったですね。
連覇の先にある、プロという目標

――:連覇を経て、周囲の反応にも変化はありましたか?
genbu_:自分を知ってくださる方が増えた実感はあります。配信に呼んでいただいたり、今回のようにインタビューをしていただいたり。XのフォロワーやYouTubeチャンネルの登録者数も増えました。
「学生雀魂杯」は以前から、気軽に出られて腕を試せる競技の場として大切にしていました。
ただ、「学生雀魂杯」のU-25カテゴリーで史上初となる連覇を成し遂げたことで、自分の中でも大会の見え方は変わりました。
「学生雀魂杯で優勝した」ということが、第三者から見ても意味のある実績であってほしい。そのために、自分もある程度の責任を果たすべきなのかなと思っています。
最近はnoteやYouTubeでも、自分の考えを発信するようになりました。優勝称号をつけて『雀魂』の段位戦を配信しているのも、大会を知る人が増えて、さらにレベルの高い大会になれば、自分の連覇という実績にもより価値が生まれると考えているからです。
――:卒業後は、麻雀プロへの挑戦も考えているそうですね
genbu_:はい。以前からプロになりたいという気持ちはありましたし、近いうちにプロ試験を受ける予定です。
競技として麻雀をさらに突き詰めるためには、プロの方々と交流して、リーグ戦のようなプロならではの舞台を経験する必要があると感じています。私設リーグで一緒に活動したプロの皆さんへの尊敬も、大きな動機です。
「学生雀魂杯」での連覇は、プロへの挑戦を強く後押ししてくれました。優勝していなくても、いつかはプロを目指していたかもしれません。
ただ連覇をきっかけに、「もう目指さない理由がない。目指すなら早い方がいい」と思うようになりました。
プロ入り前に残せたこの実績を、これからの活動につなげていきたいです。
「一生遊べるゲーム」とともに

――:最後に、genbu_選手にとって、これから麻雀はどのような存在になっていくか教えてください
genbu_:麻雀は、ほかのeスポーツと違って、数十年後も競技として存在していることがほぼ約束されているゲームだと思っています。
自分にとっては、「一生遊べるゲーム」です。だからこそ、このゲームには今後の人生すべてを賭ける余地があります。その点では、安心して遊べるゲームだと感じています。
今後はプロ試験にも挑戦しながら、麻雀をさらに突き詰めていきたいです。そして、学生でいられる残りの期間は、「学生雀魂杯」をはじめ、学生麻雀の大会には可能な限り出場するつもりです。
――:「学生雀魂杯」でgenbu_選手を知った方も、これから増えていきそうです。最後に、応援してくださる皆さんへメッセージをお願いします。
genbu_:「学生雀魂杯」をきっかけに自分を知ってくださった方には、これから10年、20年という長い目で応援していただけたら嬉しいです。
プロ試験にも挑戦しながら、麻雀をさらに突き詰めていきたいと思っています。学生として出場できる残りの大会でも、しっかり結果を残せるよう頑張ります。
――:これからの挑戦も楽しみにしています。本日はありがとうございました!
第7期「学生雀魂杯」西場決勝が10月4日(日)開催!

小学生から大学院生まで、若き雀士たちが数々の熱いドラマを生み出している「学生雀魂杯」。次なる舞台となる、第7期「学生雀魂杯」西場の決勝戦が開催されます。
U-12部門には、前回南場優勝のしろまる0709選手、第7期東場優勝の未来のとっしー選手が出場。U-12カテゴリー初となる連覇が生まれるのか、それとも初出場の選手が王者たちを止めるのか、注目が集まります。
U-18部門では、おしゅし818選手(インタビュー記事)が自身3度目となる決勝の舞台へ。前人未到となる3度目の優勝を勝ち取れるのか、まだ見ぬ新星がそれを阻止するのか目が離せない対局になります。
さらにU-25部門では、全員が初タイトルを目指して激突。genbu_選手と同じ京都大学に通いながらも、genbu_選手が「初めて見る選手です」と語る、とーゆるんるん選手をはじめ、未知の実力者たちが卓上で火花を散らします。
第7期「学生雀魂杯」西場の熱戦の模様は、10月4日(日)12時よりYouTubeにて配信されます。
お見逃しなく!
出演者(敬称略)
MC:咲乃もこ
解説:綱川隆晃
ゲスト解説:日向藍子
ゲスト解説:尻無濱航
※出演者は対局結果などにより変更となる場合がございます。

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