プロも驚嘆の四暗刻大逆転劇! 小学生から大学生まで名局続出の「第7期 学生雀魂杯 西場決勝」レポート

オンライン麻雀ゲーム『雀魂-じゃんたま-』を用いた学生向け大会「学生雀魂杯」。学生麻雀連盟が主催する本大会は2020年にスタートし、今年で7年目を迎えました。
第7期西場の決勝では、U-12・U-18・U-25の3部門で、予選・本戦を勝ち抜いた学生雀士たちが激突。U-12部門は半荘1回、U-18・U-25部門は半荘2回戦の合計スコアで、それぞれの頂点を争いました。
小学生たちによる瑞々しくも高度な攻防から、高校生・大学生たちによる緻密な条件戦まで、一日を通して熱戦が繰り広げられました。さらに、「学生雀魂杯」ではおなじみとなった実況・解説のプロ雀士たちをも唸らせる、大逆転劇も生まれました。
ぜひご覧ください!
【出演者(敬称略)】
MC:咲乃もこ
解説:綱川隆晃(最高位戦日本プロ麻雀協会)
ゲスト解説:日向藍子(最高位戦日本プロ麻雀協会/渋谷ABEMAS)
ゲスト解説:尻無濱航(日本プロ麻雀協会/KADOKAWAサクラナイツ)
レポーター:森川茉莉(日本プロ麻雀協会)
【U-12部門】未来のとっしー選手が今期2度目の優勝

小学生が対象のU-12部門には、全国から参加者がエントリー。決勝には、過去の「学生雀魂杯」でも活躍を見せてきた選手や、動画投稿などを通じて麻雀に親しむ選手、佐渡島から駆けつけた選手ら、個性豊かな4名が集まりました。

試合前の控室では、選手たちが『雀魂』を楽しみながら談笑する姿も見られました。特にサッカリン0817選手としろまる0709選手は、3年前からの友人同士。麻雀を通じてできた初めての友人とともに決勝の舞台へ進み、今度は優勝を争うという「学生雀魂杯」らしい、温かな巡り合わせでもありました。
保護者同士にも自然な会話が生まれ、決勝前ならではの緊張感の中にも温かな空気が流れていました。しかし、ひとたび対局が始まると、そこでは年齢を忘れさせるような精密な判断の応酬が繰り広げられました。
◆出場選手
サッカリン0817(小学5年生)
しろまる0709(小学4年生)
CitRoN2(小学6年生)
未来のとっしー(小学4年生)

優勝したのは、今年6月の東場でU-12部門を制している未来のとっしー選手。今期2度目のタイトル獲得となりました。
選手紹介では「2回目の優勝を目指して頑張ります」と語っていた未来のとっしー選手。決勝でも、「とっしーは気がつけば一向聴(イーシャンテン)」と実況・解説陣が評するほど、素早く手を進める場面が目立ちました。
特に大きな見せ場となったのは南3局から。同局では満貫ツモアガリを決め、大きく加点。さらに南4局0本場では、わずか4巡目でテンパイを入れると、強気にカンを選択。ここで嶺上開花(リンシャンカイホウ)を成就させると、普段はポーカーフェイスを貫く未来のとっしー選手も、これには思わず笑みをこぼしました。
南4局1本場では、それまでの攻撃的な姿勢から一転。トップ目として無理をせず、優勝を見据えて着実に局を進める冷静な打ち回しを披露しました。アガリだけでなく、守備と局の締め方まで含めた総合力で、見事に頂点へと立ちました。
表彰式では決勝の感想を「楽しかったです」と端的に語り、嶺上開花(リンシャンカイホウ)について聞かれると「気持ちよかった」と満面の笑み。すでに2つのタイトルを手にした小学4年生が、今後どこまで成長していくのか。大きな期待を抱かせる優勝となりました。

準優勝はサッカリン0817選手。保育園を卒業する少し前からYouTubeでの活動を始め、麻雀歴も約5年。毎日必ず『雀魂』をプレイするという、麻雀に親しんできた選手です。
試合では、東3局0本場で満貫の8000点をアガるなど、要所で高打点を成就しました。東4局2本場ではダマテンで2000点をアガり、南1局0本場では5800点のロンアガリを決めました。南1局2本場は流局となったものの、序盤から七対子(チートイツ)の一向聴(イーシャンテン)を組み、四暗刻(スーアンコウ)の可能性も残す手組みを披露しました。局の進行に合わせて方針を切り替える姿には、実況・解説陣からも声が上がりました。
あと一歩で優勝には届かなかったものの、表彰式では「全力で打てたし、思いを込めて打てた」と振り返りました。最後には「もしサッカリン0817を応援してくれる方は応援よろしくお願いします」と、自身の活動を告知し締めくくりました。

3位は、前回の南場U-12部門で優勝したしろまる0709選手。すでに「学生雀魂杯」での優勝経験を持つ実力者は、今回も随所で高い対応力を見せました。
とりわけ、南2局3本場では、字牌を鳴いて筒子(ピンズ)の混一色(ホンイツ)を目指す手組みが注目を集めました。単に早いアガリを目指すのではなく、ドラの使い方や役の可能性を含めて手牌を進める判断が、綱川プロは「かっこよすぎる!」と反応し、日向プロは「あれはプロのようだった」と評価。尻無濱プロも「これは(普通)できない」と、その手組みを称えました。
表彰式では「アガれなかったけど楽しかったです」とコメント。結果への悔しさを抱えながらも、最後まで麻雀を楽しむ姿が印象的でした。

新潟県・佐渡島から、会場へ駆けつけたCitRoN2選手。初めての大会出場ながら、堂々と決勝の舞台で戦いました。
東1局0本場では3900点のロンで先制。南2局3本場でもロンアガリを決めるなど、見せ場を作ったCitRoN2選手。一方で、放銃が重なる苦しい展開もありました。
迎えたオーラス南4局1本場では、自らの順位条件を意識し、より高い打点を求めてアガリを見送る場面は何度もありました。ただ自身のアガリで対局を終わらせるのではなく、残された可能性を最後まで追った姿勢は印象的。その姿に、日向プロからは「泣いちゃう」と思わず声が漏れました。
表彰式では「悔しい結果になってしまったけど、全力を出し切ることができたので良かった」と振り返り、「これからも麻雀を頑張り続けたい」と宣言。初出場で得た経験を、次の舞台へつなげてくれるはずです。
【U-18部門】マグロメバチ選手、悲願の初優勝

中学生・高校生が競うU-18部門は、半荘2回戦の合計スコアによる勝負。おしゅし818選手が「学生雀魂杯」史上初となる3度目の優勝を果たすかにも注目が集まりました。
尻無濱プロが「全員、押し引きがしっかりしている。我慢強くてレベルが高い」と評した決勝戦。
1回戦と2回戦の間には、各選手が牌譜を見返して次戦への準備を進める姿も見られました。勝負への強い思いが交錯したU-18部門は、マグロメバチ選手が初優勝を飾りました。
◆出場選手
おたから。(鳥取県立鳥取中央育英高等学校2年)
マグロメバチ(神奈川県立横須賀高等学校2年)
gikon39(熊本県立第二高等学校3年)
おしゅし818(清林館高等学校1年)

優勝はマグロメバチ選手。1回戦東1局0本場では、3人がテンパイする中でツモアガリ。1500点のアガリながら、競り合いの局面を制して先制しました。続く東2局0本場では、親番で先制リーチをかけると、一発ツモで12000点を獲得。一気に勢いに乗りました。1回戦後のインタビューの際には「もう一回トップを取ってダントツで勝ちたい」と意欲を剥き出しにする一方で、牌譜を見返し「あの局面は運が良かった」と、自身をその場で見つめ直す強さもありました。
しかし、マグロメバチ選手の真価が表れたのは2回戦です。1回戦とは打って変わり、優勝条件を見据えた冷静な立ち回りを披露。東2局0本場で満貫ツモを決めると、東3局ではめくり合いを制して加点しました。南2局0本場や南3局0本場では、「リーチ最強」と語る自身のスタイルとは異なるダマテンも活用し、着実に局を進めて優勝争いを大きくリードしていきました。
オーラスでは、役満ツモや直撃による順位変動を警戒し、不要なリスクを避ける選択も見せました。自らのアガリだけを追うのではなく、「どのような結果なら優勝を守れるか」を徹底的に考え抜いた内容に、プロの解説陣も大きく唸ります。
表彰式では「ずっと緊張していました」と本音を明かしたマグロメバチ選手。それでも、2回戦は「絶対にラスを引かないように」と意識していたと語り、オーラスでは役満級の放銃を避けるために字牌から処理していたことも明かしました。
また、学校で麻雀同好会を自ら立ち上げたという同選手。最後は「北場でも勝ちます」と力強く宣言し、母校へ実績を残すという目標を見事に果たしました。

準優勝は、おしゅし818選手。過去に「学生雀魂杯」で優勝を重ねてきた実力者です。
1回戦ではめくり合いで勝てず苦しい展開が続く中、南2局0本場でロンアガリを決めるなど、要所で粘りを見せていました。ただ、南3局0本場では鳴きなし設定をしたままにしてしまい、鳴けなかったという痛恨の出来事もありました。それでも試合後には「トップを取るしかないので、全員ボコボコにします」と力強く宣言し、2回戦へ向かいました。
2回戦の東1局では、ツモアガリで反撃を開始。条件戦でも最後まで優勝を諦めず、攻めるべき場面では果敢に前へ出る姿勢を貫き、2回戦ではトップを獲得。それでも、1回戦の点数が響き、3度目の優勝には届きませんでした。
表彰式では「悔しいよりも心残りがすごい残っている」と率直な胸の内を語り、「またここに戻ってきて、今度は優勝したい」と再挑戦を誓いました。

3位は、熊本から決勝に臨んだgikon39選手。高校2年生の終わり頃から「学生雀魂杯」に挑戦し、今回初の決勝進出となりました。
1回戦では、南1局0本場で8000点をツモアガリ。親番で迎えた南3局には12000点ツモを成就させました。トップ争いに加わる大きなアガリとなりました。派手な打点だけではなく、序盤から手役と守備のバランスを意識した打牌も多く、解説陣からは「高校生に見えない」と評されるほどの落ち着きを見せていました。
2回戦でも、優勝のために必要な着順・点差を意識しながら戦い続けたgikon39選手。難しい条件の中でも最後まで優勝の可能性を残していたものの、マグロメバチ選手、おしゅし818選手の猛攻により総合3位という結果に。それでも表彰式では「決勝に来れたことが嬉しいので、楽しく打てて良かった」と笑顔を見せました。
麻雀の話を本気でできる友人と出会えたことも、大会で得た大きな収穫だったようです。憧れのKADOKAWAサクラナイツ所属の尻無濱プロの前で打ち切った経験は、これからの麻雀人生にとって大きな財産となるでしょう。

4位は、麻雀歴約1年で決勝まで勝ち上がった、おたから。選手。前回の「学生雀魂杯」の南場をYouTubeで偶然見かけたことをきっかけに大会を知り、今回が初の決勝進出となりました。
「麻雀を広めていきたい」と語るおたから。選手は、攻撃的な副露(フーロ)を持ち味としています。1回戦では、周囲の波に翻弄され点数を減らし続けるも、南4局0本場で起死回生の満貫ツモで今大会初のアガリを見せました。
2回戦では東4局0本場、南1局0本場でもアガリを決め、得意とする副露の仕掛けから局を動かす姿を見せました。
オーラスでは国士無双(コクシムソウ)も視野に入る配牌を受け、最後まで逆転の可能性を探りました。結果は4位となったものの、それでも表彰式では「大きな場で打てたので楽しかった」と振り返りました。
麻雀を始めてまだ1年余りにもかかわらず、決勝という大舞台で見せた打ち筋と胆力は、今後への期待を十分に感じさせるものでした。
【U-25部門 】四暗刻で大逆転!Yuzt0w選手が混戦を制す

大学生・大学院生が競うU-25部門には、400名以上の学生が参加。決勝に進んだ4名は、いずれも初出場、あるいは初めてこの舞台へ立った選手たちでした。
半荘2回戦の決勝は、1回戦から小差の争い。2回戦では四暗刻(スーアンコー)が飛び出すなど、目まぐるしく順位が入れ替わります。オーラスは連荘によって条件が何度も変化し、全選手に優勝の可能性が残る大混戦に。最後は1回戦で最下位に沈んでいたYuzt0w選手が逆転優勝を成し遂げました。
◆出場選手
Yuzt0w(東京都立大学1年)
17O9(広島大学2年)
とーゆるんるん(京都大学2年)
daikon_steak(神戸市外国語大学4年)

優勝したのは、初参加で決勝まで勝ち上がったYuzt0w選手。SNSで大会の告知を見かけ、「時間が空いていたから」と軽い気持ちで参加したという選手が、最後には400名以上の参加者の頂点に立ちました。
1回戦では東3局1本場で8000点をツモるなど、苦しい状況から反撃を見せました。
そして優勝を決定づける一局となったのが、2回戦東4局1本場でした。1回戦に引き続きラスと苦しい展開が続く中、四暗刻(スーアンコー)のテンパイを入れたYuzt0w選手。三萬(サンマン)・四筒(スーピン)のシャンポン待ちでリーチをかけると、その後3軒リーチに発展。めくり合いを制し、最後のツモ番見事に32000点の起死回生のアガリを成就させました。

これには実況解説席からも絶叫の後に拍手喝采。このアガリで一気に優勝争いへの弾みを付け、以降も熾烈な条件戦を戦い抜き、最終的に優勝を掴み取りました。
表彰式では、「12000点を放銃した時に、もう終わったと思った」と振り返ったYuzt0w選手。その言葉にも、決勝戦の激しさが表れていました。

準優勝はdaikon_steak選手。麻雀歴9年で、「リーチが好き」と語る同選手は、1回戦ではリーチを打てない苦しい展開が続き、3着で終えました。
それでも2回戦に入ると、東2局0本場で2100点ツモ、続く東2局1本場では6000点ツモを決めて反撃。さらに南1局には8000点のロンアガリを成就させ、優勝争いに加わりました。
終盤は、自身の順位を上げるだけでなく、優勝まで見える条件戦に。オーラスとなった南4局2本場ではリーチをかけ、トップ目からの直撃なら優勝という局面まで持ち込みます。
惜しくも優勝には届かなかったものの、最後まで自らの武器であるリーチを貫き、総合2位まで浮上しました。
表彰式では「一回戦目は一度もリーチできず、ダメかなと思った」と振り返る一方、2回戦での巻き返しについては「得意のリーチが連発できた」とコメント。最後は「次大会に参加する時はもっと実力を上げて、今度は一位を取りたい」と語りました。

3位は、とーゆるんるん選手。友人から『雀魂』に誘われたことをきっかけに麻雀を始め、麻雀歴は約5年。1回戦では東2局、東3局で連続ロンアガリを決めると、南1局で8000点ツモを成就させました。
2回戦でも東2局2本場、東3局0本場でこまめに加点しました。さらに南2局には跳満12000点ツモを決めるなど、要所で大きなアガリを見せました。
一方で、本人にとっては2回戦南2局の跳満ツモに、反省も残ったようです。三暗刻(サンアンコー)を見据えていた中で、意図せずカンを選択した場面だったといいます。「頭が真っ白になって、カンするしかないという考えになってしまった」と反省を口にしました。

4位は、広島から参加した17O9選手。大学の麻雀サークルにも所属し、雀魂学生麻雀リーグなどへの参加経験もある選手です。
1回戦は東1局0本場で8000点ツモを決めるなど好スタート。南4局でも1300点のロンアガリを決め、トップで折り返しました。2回戦でも東4局0本場に12000点ロン、南3局1本場に1100点ツモ、南4局1本場に2000点ロンを決めるなど、最後まで優勝を目指して戦い続けました。
しかし、2回戦東4局1本場でYuzt0w選手の四暗刻(スーアンコー)の親被りが大きく響きました。大きな失点を受けながらも、最後まで粘りを見せました。オーラスでは親番を活かして連荘し、優勝の可能性を残し続けたことも印象的でした。
表彰式では、1回戦トップからの4位という結果に「とても悔しい」と語りつつ、「これからも麻雀は楽しくやっていこうと思います」と前を向きました。
小学生から大学生まで、それぞれの世代が異なる魅力を見せた「第7期 学生雀魂杯 西場」。
U-12部門では、仲間や家族に見守られながら、自分らしい麻雀を打ち切った選手たちの姿がありました。U-18部門では、麻雀を広めたいという思いを抱く選手、同好会を立ち上げた選手、何度も決勝へ戻ってきた選手たちが、真剣勝負の中で成長を見せました。そしてU-25部門では、役満、条件戦、連荘を経て、わずか0.2ポイント差まで競り合う熾烈な争いが展開されました。
麻雀は、年齢や地域、経験年数を超えて、同じ卓を囲む人々をつなぐ競技です。今大会でも、控室で初対面の選手同士が麻雀や大学生活について語り合い、対局を終えた後には互いの健闘を称え合う姿が見られました。
また決勝の対局を控える中で控室で『雀魂』をプレイする姿は、麻雀が心の底から好きという、そんな想いを体現してくれていました。
「学生雀魂杯」で生まれた出会いと経験が、参加した選手たちのこれからの麻雀、そして学生生活をより豊かなものにしてくれるはずです。
「学生雀魂杯」は、次回の北場で第7期の最終戦を迎えます。大会への申込み方法など、詳細は今冬公開予定です。第7期を締めくくる北場にも、ぜひご注目ください。

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