目指すは「麻雀のテーマパーク」! 初心者からコア層まで魅了する『雀魂』リアルイベントの舞台裏

リリースから7年。オンライン麻雀ゲームでありながら、「雀魂7周年記念~魂天神社例大祭~」では5000人超えの入場者を集め、さらには有力IPとのコラボ大会でも話題を集める『雀魂-じゃんたま-』(以下、雀魂)。
なぜ、オンラインアプリゲームである『雀魂』が、あえてリアルイベントなどの「オフライン」施策に挑み続けるのか? その裏側には、麻雀という競技とこれまでシーンを盛り上げてきた先人たちに対する深いリスペクトと、ユーザーさんへの熱い思いがありました。
今回は『雀魂』ゲーム外施策の仕掛け人である社長室の三輪木さん、米田さん、運営部の木村さんの3名に、イベントの裏側にある狙いを聞きました。
ぜひご覧ください。
株式会社Yostar 社長室 室長 三輪木 大さん(写真中央)2018年入社
株式会社Yostar 社長室 事業企画チーム 米田さん(写真左)2024年入社
株式会社Yostar 運営部 『雀魂』チーム 木村さん (写真右)2018年入社
ゼロから手探りで作ったオフラインイベント

――:まずは自己紹介をお願いいたします。

三輪木:社長室の三輪木です。『雀魂』では、周年イベントである「例大祭」や「感謝祭」など各オフラインイベントの統括を行っています。

米田:社長室の事業企画チームの米田です。『雀魂』のリアルイベントにおいて、ステージやイベント施策の立案、京王電鉄さまなど他社さまとのオフラインコラボイベントなどに携わっております。麻雀業界での実務経験もあり、『雀魂』の段位は 魂天(※)です。
(※)魂天は 『雀魂』 の最高段位

木村:運営部の木村です。『雀魂』アプリの運営を7年ほど行っています。ここ数年はゲーム内にとどまらず、コラボ大会の企画や運営。また『雀魂』の公式番組「【とりたま】松本綱川のとりあえず雀魂やりませんか?」のプロデューサーをしています。
――: 『雀魂』のオフラインイベント関連で、よくこの3人で行動をともにしている姿を拝見します。それぞれがどんな役回りなのでしょうか。
米田:コアな麻雀好き目線を持つ木村さん、初心者の間口を広げる目線を持つ三輪木さん、そして麻雀業界の経験もある私がその間を取り持つような形のチームですね。 そういった意味で、役割のバランスがすごく取れていると思っています。
木村: 私はゲーム運営の最前線で麻雀に深く関わりすぎているせいで、コアユーザーにしか刺さらない施策を「面白い」と判断しそうになる時があるんです(笑)。そこを三輪木さんが「麻雀のルールさえ知っていれば誰でもわかるように」噛み砕いてくれる、そんな立ち位置ですね。
――:みなさんがこれまで関わった中で、一番手応えのあったオフラインイベントを教えてください。


三輪木:一番手応えがあったのは、2024年5月に東京・高田馬場で開催した『雀魂5周年記念~魂天神社例大祭~』ですね。2019年11月に 『雀魂』のアプリ版をリリース後、時世の問題でずっとオフラインイベントができない期間が続いていました。『雀魂』の周年イベントとしては、その時が初めてでした。
『雀魂』は弊社で運営している他のアプリとは異なり、 SNSでの反応が見えにくく、「本当にどうなるんだろう」という空気が当時すごくあったのを覚えています。結果的に2000人以上の方にご来場いただき、現在のオフライン施策に続くベースができた瞬間でした。あそこで手応えがなかったら、ここまで精力的にやってこれなかったと思います。
木村:私はその前段となる、2023年12月に東京・六本木で開催した招待制の『雀魂ファン感謝祭2023冬』ですね。本当に「何をすればいいのか」という0からのスタートでした。どういったことがユーザーの皆さまに響くのか、満足度が高いものなのかが全くわからない状態からのスタートで、一番苦労しました。ただ、イベント当日の熱気に強い手応えもありましたね。

米田:私は2025年12月にグランキューブ大阪で開催した『雀魂ファン感謝祭2025冬in 大阪』から、ステージやイベント施策の立案に携わるようになりました。ただこれまで携わった麻雀のオフラインイベントの規模で考えると、まさに桁違いでした。自分が担当するようになって、皆様に楽しんでもらえるのかという不安もありつつ、最終的には配信のコメントやアンケートで好評をいただいたことで、非常に大きな経験になりました。そういった意味では感慨深いイベントでした。
――: 『雀魂』は 本来オンラインで完結するゲームでありながら、オフラインイベントにそこまで注力する狙いは何でしょうか?
三輪木:『雀魂』 はオフラインイベントだけに注力してるというわけではないんです。どちらかというとオンラインをメインにイベントを実施していました。ただもっと麻雀の魅力や『雀魂』の良さを知ってもらおうと考えた時、基本的に顔を合わせないオンラインでは味わいづらい、プロ雀士さんと会話しながら打つといった「オフラインじゃないとできない体験」も提供したかった、という想いがあったんです。

木村:身も蓋もない話をすると、オンラインゲームなので本来オフラインイベントをやる必要はないんです(笑)。効率だけを極めたら、オフラインイベントは手間も準備もお金もすごくかかります。
ただ、普段ゲームの運営をしていると、ユーザーさんと直接顔を合わせる機会がほぼありません。イベントで、幅広い年齢層の方々が『雀魂』を軸に笑顔で語り合っている光景を直で見られるのは、我々としても大きなモチベーションに繋がっている部分があります。そういった意味では「いつも、遊んでいただいてありがとうございます」という感謝の還元の一環でもあります。
――:「例大祭」(周年イベント)についてお聞きしたいです。会場のセットやステージイベントにもすごく力が入っていて、年々パワーアップしているのがわかります。




三輪木:僕らは『雀魂』の「例大祭」を、「『雀魂』ユーザーだけのイベント」という考え方はあまりしていないんです。「麻雀好きな人に向けて、麻雀を軸に楽しんでもらえるような空間を作る」というところが、「例大祭」における一番のコンセプトであり狙いです。 もちろん『雀魂』のイベントではあるんですが、『雀魂』は元々麻雀があって成り立っているものですし、ユーザーの皆さんもやっぱり「麻雀が好き」で、うちのゲームを遊んでくださっている方が多い。だからこそ、麻雀というコンテンツを使っていろんな表現をしたいんです。

例大祭では大会もあるし、プロ雀士やVTuberさんと会話しながらも打てる。会場内で麻雀を軸にした様々な企画があったり、プロ雀士や声優さんが登場するバラエティ要素の強いステージイベントもある。とにかく「麻雀の好きな人が来たら、麻雀だけで1日楽しめる」、そんな「麻雀のテーマパーク」みたいな空間ができると一番いいんじゃないかと思っています。 子ども連れの方向けにファストトラックも設けています。みんな麻雀が好きで来ているんだから、やっぱり麻雀で楽しませたい。だからステージイベントも、真ん中に「麻雀」という軸がしっかりあって、そこから横に色々広げていくようなイメージで作っています。
――:「盲牌チャレンジ」「迷牌クエスト」など実物の牌を使った体験があり、『雀魂』に関連した内容だけにとどまらないことは、麻雀ファンにとってすごく面白い体験だと思います。

三輪木: まさに狙いはそこなんです。ただ単に『雀魂』としてのゲームイベントをやるのではなく、麻雀で色んな表現ができる。それを楽しんでもらいたいんです。
米田:雀荘のイベントで言うと、プロ雀士との対戦や、大会という部分にフォーカスし、麻雀卓を囲むというのが前提なことが多いです。『雀魂』のリアルイベント、特に例大祭ではこの部分を軸の一つとしつつ、より間口を広く、麻雀がわからないお子さんがいても楽しめる設計になっています。
ステージイベントでも、その点を踏まえてなるべくわかりやすいように意識しています。プロ雀士の方々もイベントの趣旨を深く理解してくださっていて、専門的になりすぎない、見た人にわかりやすい解説を、心がけてくださるのが本当にありがたいですね。
三輪木: 長く運営していると、どうしても我々も「これくらい知ってるよね」という前提で話を進めがちになります。でも、最近『雀魂』で麻雀を始めたばかりの人からすれば、専門用語ばかりでは何が起こっているのかわかりません。 ですので、ステージイベントの台本やスライドでも、「和了(ホーラ)」という言葉をあえて「アガリ」とわかりやすく表記したり、「断么九(タンヤオ)」を漢字ではなくカタカナで表記したりと、常に「初心者を忘れない」ことを心がけています。
木村:会場設計で言うと『雀魂』の世界観を構築しつつ、麻雀好きが楽しめるという部分を意識していますね。
――:具体的にはどのようなことでしょうか?
三輪木: 『雀魂』には「魂天神社」という舞台があります。その中でお祭をやったらこうなるよねと言う部分を意識しています。『雀魂』の世界は、麻雀を軸に回っているような世界なので、そこを軸にしたら?という問いのもとに形にしています。
よく業界の方からは「ゲームのイベントなのに、なぜ実牌を打てる全自動卓を置くんですか?」と驚かれます。でも、ゲームから入った人は、そもそも全自動卓で打つ機会なんてないじゃないですか。僕らは 『雀魂』 だけをやってほしいというより、「麻雀そのものを好きになってほしい」という目線なので、実牌に触れてより麻雀を好きになってくれたら嬉しいです。実牌を触って、より麻雀を好きになってもらって、そこから雀荘に行くようになっても良いです。もちろん 『雀魂』もプレイしてもらいたいです(笑)。

木村:そうですね(笑)。業界が盛り上がって、『雀魂』も盛り上がってくれたら一番嬉しいです。 『雀魂』 はリリースしてまだ7年です。リアルイベントは、『雀魂』だけではなく、 麻雀業界やユーザーさんにお世話になっているというところへの恩返しでもあるんです。
麻雀が好きな人が増えれば、巡り巡って僕たちにも良い結果になると思います。『雀魂』のイベントを実施するたびに、これまで麻雀を広めようとしてきた先人の方たちの努力の上に成り立っていることを日々痛感しています。
米田:人気プロ雀士を招いた「小学生麻雀教室」なども、『雀魂』という単位で見れば関係性はとても薄いんです。それでも若い世代がゆくゆく麻雀を好きになって、学生麻雀連盟さんが主催の「学生雀魂杯」などへの参加もしてくれればという想いの元に実施しています。
小学生からシニアまで。広げ続ける「麻雀の輪」
――:「学生雀魂杯」と言えば、7年目を迎える今回から小学生向けのU-12を新設しました。元々「学生雀魂杯」への協力を始めたのはどういった理由なのでしょうか。

三輪木:元々自分はeスポーツの仕事をしていて、麻雀の「頭脳スポーツ」としてのポテンシャルを強く感じていました。そこで7年前から、学生麻雀連盟さんが行っている高校生や大学生向けの大会をバックアップしたり、若年層向けの大会に注力するようになりました。
正直、短期的にはゲームの収益に直結するわけではありません。ただ、入り口を広げ続けないと業界は縮小してしまいます。若い世代が麻雀に興味を持ち、ゆくゆくは麻雀業界全体の発展に繋がるような「恩返し」になれば、という思いでやっています。
木村:U-12の大会を現場で見させてもらったんですが、大人顔負けの打ち筋の小学生たちが、本当に楽しそうに、時には泣きそうになるのをこらえて真剣に打っているんです。
小学生で大会の決勝に出て、多井隆晴さんや日向藍子さんをはじめとしたトッププロやVTuberの実況解説付きで配信もあるなんて、人生においてものすごい貴重な体験ですよね。そういう「場」を用意してあげるのは大人の仕事であり、ゲームを出している側の責任として強く協力していきたいと思っています。

米田:法律上、18歳未満は雀荘に入店できませんし、学生が対面で真剣勝負に参加できる機会は限られています。だから負けて悔しい思いをした子が「次も出たい!」と思ってくれるようなきっかけづくりになれば嬉しいです。
木村:すでに「学生雀魂杯」を経て、実際にプロテストを受けて活躍し始めている雀士も出てきています。麻雀に触れたきっかけが『雀魂』で、そこからどんどん強くなって、最後はMリーガーまで行くような人が出てきたら、めちゃくちゃ面白いなと思います。
――:学生向けにとどまらず、「シニアeスポーツ 渋谷スクランブルHACHI」との連携からシニア向け取り組みも始めていますね。『雀魂』はユーザー層の幅広さを感じます。
三輪木:「シニアeスポーツ 渋谷スクランブルHACHI」(以下、HACHI)さんとの取り組みは、HACHIさんの方で「『雀魂』を使った体験会をしたい」というお話をいただいたんです。当時は『雀魂』の年齢層の幅広さから、シニア向けのイベントも考えていた時期でもありました。
自分としても実際に「おじいちゃん、おばあちゃんが孫と平等に戦えるゲーム」って少ないな、と思っていました。話を聞いている中でわかったのは、シニア向けのコミュニティでも、ルールがわかっていて遊べるゲームは意外と少ないそうなんです。
そんな中で「麻雀ならわかる」と興味を持っていただける男性の方が多かった。であれば、手軽にできるゲームの強みを活かして、健康麻雀の分野でもお手伝いしていくのが良いんじゃないかという流れですね。
「じゃあ我々もお手伝いしていきたい」というところで、取り組みが始まっていきました。
麻雀ファンも原作ファンも楽しめる大会作り!
――:年齢層だけではなく、幅広いユーザー層という点では、これまで『劇場版「Fate/stay night [Heaven’s Feel]」』、TVアニメ『銀魂』や『ソードアート・オンライン』など、ゲーム内でコラボしたタイトルの世界観を彷彿させるユニークなコラボ大会も行っています。コラボ作品の世界観を麻雀に落とし込む上で、どのような苦労がありますか?

木村:『雀魂』のファンと、コラボ先のファンの双方が持つ「好き」の熱量を尊重することですね。作品の世界観を崩さず、かつ麻雀として組み合わせた時に納得感のある大会づくりを心がけています。『劇場版「Fate/stay night [Heaven’s Feel]」』コラボの際には、一定の条件を満たせば不特定多数のユーザーが参加できる、公式大会としては初の大規模な試みでもあったので、世界観を大切にしながら皆さんに楽しんでいただけるのか、という点で苦労しました。

また6月27日(土)に決勝を開催する『アカギ 〜闇に降り立った天才〜』(以下、アカギ)のコラボ大会「鷲巣麻雀決斗戦」でも、さまざまな演出が組み込まれています。

例えば原作では、点差に応じて自分の血液を対価として差し出すシーンがあるんです。そこで卓の脇に巨大なガラスシリンダーを設置し、オレンジ色の液体の増減で持ち点をリアルタイムで表示するギミックを用意しました。
作品が好きな人たちが喜んでくれるような演出をかなり考えました。版元さんと相談しながら、最大限作品に寄せつつ、エンタメ性と競技性のバランスを取っています。

米田:競技的な部分では、ルールのバランス配分にはすごく気を使っています。例えば『アカギ』コラボで導入する「鷲巣麻雀(透明牌)」ルールは、手牌が8割ぐらい透けて見えてしまうので、当たり牌を引くとみんな降りてしまって、なかなかロンが出ないんです(笑)。だから情報が多い分、長考になり大会が長引きやすいという課題がありました。
そのため大会で中だるみしないよう、通常のルールもうまく混ぜつつ、半荘(ハンチャン)の回数を減らして競技性とエンタメ性を50:50に近づくよう調整するなどの工夫をしています。
※半荘は、麻雀の1ゲームのこと
『雀魂』 のオフラインイベント展望
――:最後に、今後の『雀魂』オフラインイベントの展望や個人の野望などがあれば教えてください。
三輪木:個人的な大きな野望ですが、競技性のあるガチの大会を「有観客」で大々的にやりたいですね。選手とお客さんが同じ場にいると実況解説の音が聞こえてしまうため、完全な防音環境の構築など技術的なハードルは高いのですが……。お客さんが見守るプレッシャーの中で選手が打ち勝ち、そこに実況解説が入って会場全体がワーッと盛り上がる。そんな熱狂できる競技シーンをいつか実現したいです。
米田:私は、より幅広い層が参加できる、新しい「公式リーグ戦」のような大会の枠組みを作りたいと考えています。現在も四象戦のような素晴らしい公式大会がありますが、トップ層(「魂天」以上)向けの非常にレベルの高い戦いです。麻雀を愛するもっと多くの方々が参加でき、長期的に目標を持てるような、間口を広げた大会の場がいつか提供できたら面白いなとは考えています。
木村:僕の方は、もう実際に着々と進行中です。ただ、それをここで言ってしまうといろいろとネタバレになっちゃうので(笑)。 『雀魂』の新情報を楽しみにしてお待ちください!
――:本日はありがとうございました!
そんな、6月27日(土)17:00から『アカギ』とのコラボ大会となる「鷲巣麻雀決斗戦」決勝を配信します。決勝ではプロ雀士の鈴木たろうプロ、小林剛プロ、また実況・解説には河野直也プロ、ゲストに虫眼鏡(東海オンエア)さんをお迎えします。決勝特別ルールで送る「鷲巣麻雀決斗戦」をお楽しみに!
「鷲巣麻雀決斗戦」公式サイト
https://mahjongsoul.com/kettosen2026/
また『雀魂』のアプリ内では『アカギ』コラボを7月8日(水)5:59まで開催中です。期間中は、期間限定ルールの追加、コラボ雀士・装飾品のピックアップ、コラボ着せ替えの販売を実施しています。こちらもお見逃しなく!
「雀魂 × アカギ 〜闇に降り立った天才〜」コラボ開催
https://mahjongsoul.com/news/363
Ⓒ福本伸行/竹書房

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